もし東京に住むことになって、場所も自分で選べるならば中野区を候補に入れてみてはいかがだろうか。
今日は私が愛してやまない中野区の魅力についてお伝えしたい。

◎          ◎

ことの始まりは大学生の時の話。
当時好きだった歌の一節に「中野坂上」に触れたものがあった。
その歌や歌手から中野坂上は"若者が集うおしゃれな街なんだ"と、東京の下北沢や大阪の堀江なんかを勝手にイメージしながら、ついに初めて降り立った2016年春。
地上に出た瞬間に見えたのは手作りの看板やおしゃれな女の子たちではなく、大きな大きな交差点とそこを走る車たち。
あまりにも想像と違いすぎた世界に、例の歌で触れられていた一目惚れする彼はどこ〜?と心の中で叫んだ。

時は移り2020年、東京で新しい生活を始めることになった私は新天地に中野区を選んだ。
勿論先ほどの歌の影響。
あれだけ嘆いておきながら、どうせ住むなら憧れの場所で。
そう思い選んだ中野区だったけれど、私には最高の場所だった。

◎          ◎

理由の1つ目として"都会と田舎の良さが両方楽しめる"ところがある。
なんといっても利便性。
新宿まで長くかかっても電車で15分ほど。
私が住んでいた場所は自転車で10分の近さ。
新宿でなくともJR、地下鉄ともに東京の主要都市まで乗り換えなしで行くことができる。
おまけに飲食チェーン、マルイなどの大きな買い物スポットも近くにあり、買い物に困らない。
生活するにあたって1番重要なスーパーや薬局も多く、一人暮らし用の小さなサイズを扱うところから業務スーパーまで幅広い。
バスの本数も多く移動に困らないのが大都会東京。

とはいえ街自体はいい意味で華やかさに欠け、集合住宅や一軒家が多い。夜にはちゃんと静かになるし、おまけに逆方向に電車に乗れば高尾山で山登りすることも、井の頭公園でマイナスイオンを浴びることも出来る。

2つ目の理由としてお店の種類が多種多様なことがある。
中野駅は大きな駅ということもあってか、付近にはチェーン店が多い。
特にファミレスやファーストフード店などは不足なく揃っている。
居酒屋の数もかなり多く、会社の歓送迎会やイベントの打ち上げなどにはもってこいだ。
ところが一つ駅を進め高円寺に行くと、はしご酒にはもってこいの個人経営のお店が多く立ち並び、カフェの数も劣ることはない。
バンドマンやアーティストが多く住む街ということもあり、個性豊かなお店がとにかく多い。
1日遊ぶなら絶対にここだ。
そして更に奥へ進み阿佐ヶ谷へいくと、コロッケ屋さんや定食屋さん、"無性に食べたくなるあの懐かしの味"を提供してくれるお店が多い。
商店街を歩くだけでなんだか昔に戻ったような気がする。
年齢層も他の街に比べ高く、おばあちゃん特有の優しさに触れることができたりする。

◎          ◎

3つ目の理由は安さ。
東京というと物価が高い、家賃が高いというイメージが持たれがちだけれど、中野区においてはそこまで高くない。
私が住んでいた家は家賃5万円で、駅から徒歩2分、頑張って歩いても30分とかからない距離。オートロック付きシャワートイレセパレートのワンルーム。
良くはないが全く悪くない部屋だった。
友達が遊びに来た時は近所の飲み屋やご飯屋さんに行くけれど、どこもかなり良心的なお値段だ。

逆に言えば華やかさは全くと言っていいほどない。
みんなが"東京"と聞いてイメージするような、前を通るだけでそわそわするような高級レストランも、ハイブランドの店舗も、大きな豪邸も、これでもかと並ぶ外車達も、ハリウッドスターのような外国人も、東京タワーのような絶対的なランドマークも。
そんなものは全くないけれど、20代の女の子が大人の青春を味わいながら1人で暮らすにはもってこいの場所だと思う。

ちなみに初めて来た時に見つけられなくてがっかりした、店員さんに一目惚れするようなカフェは、少し街を探索すればたくさん見つけることが出来た。
一目惚れはしなかったけどね。