私は、夜が大好きだ。

どれくらい好きかというと、将来子供につけたい名前で夜にちなんだ名前を考えるほど好きだ。

どうして人間は、昼に活動して夜に寝る、なんて生き方を当たり前にしたんだろう。

太陽より、月が好き。

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太陽は苦手だ。暑いし眩しいし日焼けするし、見られたくない色々まで照らされている気分になる。一向に代わり映えしない太陽とは裏腹に、月はいろんな姿で楽しませてくれる。スーパームーンだとかストロベリームーンだとか、珍しい月を観測できる日はニュースやSNSで話題になったりもする。「お月見」なんて風習も、西暦が3桁の時代から存在していたのに。まぁ今は「月見」なんていったら、バーガーが一番に浮かんできちゃうけど…。

室内でも眩しく感じるのはHSPが影響しているのかも、と気付けたのはここ数年。

それまでは同じように感じている人が周りにいなくて、(どうしてみんな眩しくないんだろう)って不思議に思いながら過ごしていた。私の目の色は褒められる時もあるほど割と透けてるブラウンで、だから人より光を感じやすいんだと自分に言い聞かせていた。

家族に「ドラキュラじゃん」って笑われても、傷つくというより(前世はほんとにそうだったかも…)って納得がいった。同僚から「夜職の方が向いてるんじゃない?(笑)」って言われた時は、さすがにショックだったけど。

でもHSPの特徴だって知ったら、自分はおかしくなかったんだってホッとした。

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ホッとしたら、余計に眩しいのが苦手になった。

体温計の数字を見て、熱があると自覚した瞬間しんどくなる、あの現象と似てる。

家から出ず、カーテンを閉め切ったまま過ごせる休日は大好きだし、在宅勤務の時は何日も天気が分からないまま引きこもった。といっても眩しい太陽が苦手なだけで、雨とか曇天の日はカーテンを開ける日もあるし、台風なんてテンションが上がるのを止められない。

天候が荒れれば荒れる程比例するように外は暗くなって、そんな夜に間接照明のオレンジの光を灯す空間が私は最高に癒される。反対に、蛍光灯のような白い光が大の苦手で、特に雨の日は外が暗い分余計に眩しく感じてオフィスでもいつも以上に疲れてしまう。そういえば元カレの家も照明が全部白くて、居心地が悪かったのはそのせいかも?と、言い訳しておく。

そんなHSP気質の私は、普段からいろんなことを考えてしまうのが癖だ。
これは、治そうと思って治せるものではない。

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そして、夜はなおさらその考え事に拍車がかかる。でもこれは私に限った話ではなく、人間みなそうらしい。だから「夜はあかん、朝考えよう」って、ポジティブ女王なアンミカ先生も言っていた。夜に考え事をすると、どうしてもネガティブな方に引っ張られていってしまいがちになるらしい。そのせいか、夜そのものにまでネガティブなイメージが定着している気がする。

例えば有名な名言や歌詞には、こんな言葉がある。

「明けない夜はない」とか「陽はまた昇る」とか。

もちろん比喩だってことは分かってる。でもこの言葉通りに励まされたのだったら、その悩みにはまだ希望の余地があるんだと思う。だっていじめられていたあの時も、部活で顧問と戦っていたあの時も、社会人で自分が自分じゃなくなっていったあの時も、私は朝を迎えるのが怖かった。外が明るくなったら、またいつもの日常を過ごさなければいけないのが辛かった。

だから、「暮れない日はない」とか「陽は昇る、けどまた沈む」とかの方が、自分を励ます言葉としてはしっくりくる。

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えすぎてネガティブ沼にハマっていきそうになっても、すべて夜のせいにできるところも好きだ。

同じ小説を読んでいても、夜の方が本の世界に没頭できる。

眠たい目をこすりながら、夜な夜な家族とどうでもいいことを喋る長電話も好き。

親友とのラインも、深夜テンションだと返し合うテンポが早すぎて電話した方が早いくらいだ。

SNSは寝静まっていく人が多い中で更新して投稿している人がいると、同士を見つけた気分になってちょっぴり嬉しくなる。

次生まれ変わっても夜行性の動物がいいな~、、、なんて事を考えながら今宵も夜更かしをしてしまう。