誰かと前々から計画する旅行も好きだが、一人でその場の思い付きでいくような散歩のような旅が好きだ。ここ何年も出来ていないが、数年前に東京を一人散策した時の話をしようと思う。
短大を卒業して数年たち、当時仲の良かったメンバーで九州旅行に行くことになった。総勢9名、関東から関西までさまざまな県から博多に集結する旅行だった。
朝イチの飛行機だったので、地方住みの私は有給を取り、1日前乗りし東京散策することにした。同じ県からももう一人旅行に参加するが、彼女は用事があるため夕方から合流。私はやりたいことをリストにした。行きたいカフェや場所を挙げ、その付近の観光スポットを周ることにした。
原宿から歩いて代官山へ。東京らしさを一人で満喫
地元から高速バスで2時間。山手線に乗り換え原宿駅で降りる。
まずはフクロウカフェに行ってみた。当時なかなか動物とのふれあいができるカフェは田舎にはなく、中でも珍しいフクロウ!口コミを参考に店を選んだ。雑居ビルの一室がカフェのような店舗で、奥にフクロウとのふれあいルームがあった。中はほぼ外国人でお互いに写真を撮り合ったりして楽しんだ。
次に原宿駅の裏にある明治神宮も散歩した。歩みを進めると森林に囲まれた神宮が姿を現し、ここはさっきまでの原宿と同じ場所にあるの?と思うほど静かな場所だった。
お宮参りの家族とすれ違う。私はお参りし、続いての目標である代官山蔦屋へどう向かおうかとグーグルマップを開いた。
「けっこう近い……歩いていけるんじゃない?」
せっかく東京散策なので、そんなに距離もないし原宿から代官山まで歩いた。
途中から大使館のあるような閑静な住宅街を進み、目的の場所に着いた。美術史や絵画集などがあり、建物もおしゃれで素敵な場所だった。家の近くにある蔦屋書店とは当たり前だが全然違う。
おひとりさまは私だけ。でも、そんなこと気にしない
そうこうしているうちに15時近くになったので、私は目黒のスヌーピーカフェに行くことにした。
細い道が続き、ほんとうにここにあるのだろうかと心配になってくる。普段車がなくては生きていけないような田舎住まいの私は、新しい場所に行くときはカーナビが連れてってくれるし、道中の景色を楽しむこともほぼない。
歩いて行きたいところに行ける、数分歩いただけで街の雰囲気が変わる東京はおもしろい場所だ。友達とわいわいしながら観光もいいが、こういう発見があるので一人で出かけるのはいい気分転換になる。
スヌーピーカフェに着き、目的のカフェオレとワッフルを頼んだ。店内どこもかしこもスヌーピーで可愛い。お客さんはほとんど女性かカップル。一人客は自分ひとりだったが、写真を撮ったりまったりと楽しんだ。
一人で楽しんだ時間の話を友達と楽しむのもまた楽しい
一人の時間はあっという間に過ぎ去り、友達と落ち合う時間になった。友人は上野の美術館で見たい展示があったので、そこに行っていたとのことだった。
「私、初めて動物カフェ行ったんだけどさ、フクロウ。ちっちゃいのもいて可愛かったよ」
「えーフクロウ?写真見せて~。あ、今度美術館で〇〇の展示があるらしいんだけどね……」
お互いの行ってきた場所の話をし、盛り上がる。次回は一緒に行こう~なんて約束もした。
昔は常に誰かと一緒にいたいと思うタイプだったが、年と共に、また出会う友達に影響されたりしてこんな風に変わってきた。
コロナが落ち着いたら、旦那に子供を預け、また一人旅でもしたいと思う今日この頃だ。