「ミニマムな暮らし?それともマキシマム?今の自分には―」

居心地、というのは不思議なもので、本当に人それぞれなんだなと思う。

私は個人的に物が少ない空間、今流行りのミニマリスト的な場所を好むが、世の中には「物が少ないと落ち着かない」「ごちゃごちゃしているのが好き」という人も一定数、というかこちらの方が多いのかもしれないとすら思う。

かく言う私も、物が少ない場所イコール居心地がいい場所、というわけではない。これも個人的な好みだが、今流行りの「コンクリート打ちっぱなしの無骨なおしゃれカフェ」はどうも落ち着かない。確かに物が少なくて静かで落ち着く空間なのだが、どうも馴染めない。毎度「こういうの、好きなはずなんだけどなぁ」と思う。

反対に、「狭い空間にカラフルな物が色々置かれているカオスなお店」をものすごく気に入ることもしばしば。私はカレーをはじめアジア料理が好きなのだが、そのようなお店はどちらかというとごちゃついたお店が多い。聴き馴染みのない音楽もかかっている。でも不思議と「これでもいい」ではなく「これがいい」となる。

前述したが私はシンプルな空間、まぁわかりやすく言うと「無印良品」みたいなのが好みだ。それでもアジア感あふれるカオス空間をたまらなく好きになる。

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では自分の家はどうか。はい、無印良品でございます。

私以外の家族がどちらかというと「物を多く持ちたいタイプ」で、母は気に入った服やカバンは色違いで何個も買うし、弟に至っては「片付いていると落ち着かない」と、私とは真逆のことを言う。散らかった部屋を片付けると、家族から「どこにあるかわからないから片付けるな」と怒られる始末。片付けや掃除をして怒られることあるんですね。

実家がそうだったから、いざ一人暮らしをするとなると、好き放題整えられるのが嬉しくてたまらない。
洗濯物を畳んで片づけたり、食器を洗ったり、掃除機をかけたり、おそらく多くの人が面倒くさいと思うことが私は大好きだ。中学生の頃から「お嫁に来てほしい」と言われていた。女子から(ちなみに家事が好きなことを理由にモテたことは一度もありません)。

一通り片づけをして、整った部屋で過ごす時間もまたいい。物は少ないに限る。少なくとも、収納スペースに収まる量でいたい。
うん、そう思うのだが、物欲がないかと言われるとそうではない。人並に物欲がある、いや人一倍物欲はあるかもしれない。お気に入りの雑貨屋さんにいると「このお店の物、全部欲しい……」などと言う。なにがミニマリストだ。心はマキシマム。

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だから、自分の好きな物をぎゅうぎゅうに詰め込んだ部屋に住んでいる人や、店主の好きが詰まっているお店に、羨望のまなざしを向けてしまう。
本当はこうなりたい……と揺さぶられる。

今は少ない物での生活が自分には合っている気がする。でもいつか、いつか欲望のままに、大好きな空間を作ってみたいと思うのです。ミニマムな私のマキシマムな夢。