私は1人が好きだ。予定がなければ平日夜も土日もずっと1人で過ごしたい派だ。

しかし、そんな私がたまに会いたい、寄りたいと思う場所がいくつかある。それは、北海道のいくつかの客先だ。

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1つは、十勝周辺の人口数千人の小さな町。

夏は緑の芝がきれいに敷かれていて、さすが農業の町。喧騒がなく住民が礼儀正しい。

この、商業施設や観光施設など何もないけれど整った緑の芝生、閑静な住宅街に広がるひたすら平らな道、十勝晴れの空、たまに見かける「馬走行注意」の標識———この自然も愛おしいのだが、なによりここには遺伝子レベルで明るい客先の方がいる。

この方と10分でも話すと、自分の長所を最大限引き伸ばした形で助言をいただけるし、「自分たちは北海道における歴史の創り手だ」という意識で目の前の仕事をされている方なので、やはり刺激を頂く。

この方と一緒にいる時の自分が好きや、仕事が楽しい、もっと頑張りたいと思える時間なので、不思議とたまに会いたくなる。どこまでも明るくて、将来がなんだかワクワクする方。そんな方が1人でもいると、その町を好きになってしまう。平凡から脱却できない時ほど、あの底抜けな明るさと包摂感に不思議と立ち寄りたくなる。

もう1つの場所は、旭川近くの人口約1000人の湖を持つ本当に小さな町でここも客先だ。そこに行って特定の何かがしたい、特定の誰か1人に会いたい場所というより、そこに行くと、誰もが温かく歓迎してくれ、冗談をいいあったり、町民同士お互いをリスペクトしあっている関係性があるので、どこか泣きつきたくなる場所だ。

私は車でその町に行くたびに、特定の誰かと1to1のプライベートな話をするというより、その町の町民チームと会って、セクターの違う数人でわいわい世間話をする。冬は寒くて有名な町なのだが、室内は暖炉で暖かく、外気の冷たさとあいまって、この町の人の温かさに心打たれる。

仕事上、町の未来の話をする時、だいたいは特定の誰かが強いビジョンを持っており、だいたいはそういう方は同時に孤独だったりするのだが、この町は違う。レイヤーやセクターの異なる人々が皆熱量をもち、街づくりの同じ方向を向いてチームで仕事をしている。

先方の、この関係性や信頼感が好きで、また戻りたくなる。

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あんなに1人が好きなシティガールだが、北海道の小さな町に、また戻りたいと思うような素敵な居場所が2つもある。これから仕事を通して、もっとこのような居場所を見つけ関係性を紡いでいきたい。

それにしても、本州生まれ育ちのまだまだ見習いのような私を快く受け入れ、存在自体を認め喜び、一緒に仕事をしてくれるいまの客先には非常に感謝している。

この信頼感や関係性の土台があれば、たとえ私が北海道を離れても、信じて頑張れるソースオブエナジーの1つだと思っている。これからもこのような客先の方々の笑顔がみれるよう引き続き仕事を頑張りたいと思っている。