部活を引退して仲良くなった男子。私以外にも仲がいい女の子がいた
高校3年生の時に、部活を引退してから仲良くなった男子がいた。仲良くなったきっかけは、席が隣になったことだったように思う。彼をA太と呼ぶことにする。
放課後、夕日の差す教室でテスト勉強を一緒にしたり、休み時間喋ったりと楽しい学校生活を送った。学校外ではメッセージを毎日夜中まで交換し合った。
まるでカップルみたい、と少し浮かれている自分がいた。
一方でA太と仲の良い女子が同じクラスにいた。彼女をB美と呼ぶ。
A太とB美は付き合ってはいなさそうだけれど、何となくただのクラスメイトではなさそうと思ってはいた。
ただ、私とA太が隣の席になるまでの期間は、二人はかなりずっと一緒にいたので付き合ってるのかなと気にはなっていた。
もし付き合っているのだとしたら、A太と毎日メッセージをやりとりするのは良くないなと思っていたが、何となくA太との関係性が終わってしまうのが寂しくて、聞かないようにしていた。
でも、ふとした時にB美の私に対する言動からほの暗い何かを感じとることがあり、不安になった。
そこで過去にB美と同じクラスになったことがある友人に、B美がどんな子なのか聞いてみたところ、優しくて女の子らしいいい子だという。
それを聞いて、B美の射るような視線はきっと気のせいだと思い込むことした。
大学生でも友人だった私たち。ある日、彼と仲良しの女子から連絡が…
月日は流れ、晴れて私たちは大学生になった。
A太と私は別の大学に進学し、付き合うことはなく、メッセージのやりとりもぐっと減ったが、映画を見に行ったり、共通の友人を交えてテーマパークに出掛けることもあった。
あくまでも友人関係を続けていた。
二人の間でB美が話題に上ることはなかった。お互いに触れないようにしていたというのが正しいかもしれない。
ある時A太たちと出かけたことをSNSに投稿した。すると翌日B美から連絡があり、そこから遊ぶ約束に繋がった。
約束の日が近づくにつれ、少し行くのを躊躇う気持ちが出て来たが、大学の新しい環境に疲れてきていたこともあり、同級生だったB美と仲良くなれたらいいなと思って、遊ぶ日を楽しみに待った。
お昼前から紫陽花で有名なお寺を見て、お昼ごはんを食べるスケジュールをこなし、最後に甘いものでも食べようと立ち寄ったカフェにて裏切りの瞬間は訪れた。
B美は今、彼氏がいるという。
A太とめでたく付き合ったのかと思って話を聞いていると、大学生になって始めたバイト先の先輩だという。
「てっきりA太だと思った」と言うと、A太は恋人ではないけれど、なくてはならない存在で、彼氏公認の友達であると返答があった。
この時点でかなりショッキングな情報であったが、B美は続けた。
高校の卒業式の日、身体の関係を持った、と。
背筋が凍る。彼女が私を誘った目的は、彼と私を遠ざけるためだった
私はどんな表情をしていたのだろう。アイスコーヒーが氷で薄くなったことに顔をしかめただけと言い訳できただろうか。
1日遊んで仲良くなれたと思ったのは、ノー天気な私だけだったようだ。
少なくともB美は、私と仲良くなろうと思って遊びの約束をしたわけではなかったことは明らかだった。
もしカップルみたいだと浮かれている時期に暴露されていても、関係を進めるか思いとどまるに足りる出来事だった。
A太と私を遠ざけることが、遊びに誘った彼女の目的だったと思うと、背筋が寒くなった。
その後もA太と共通の友人のグループで出かけたが、さすがにB美と関係を持ったのか聞けなかった。
デリケートな話題だし、A太が本当のことを言うとも限らないので、私の精神衛生上にも聞かなくて良かったと思っている。
女性同士の対人関係で、上辺では優しく見せていても敵意を向けて来る人は勘で分かるのだと知った出来事であった。
また、恋愛面において、彼氏に選ぶ時には、女友達と付き合ってると間違われることがあるようなどっちつかずなスタンスを取る人も避けるのが無難であると思うに至った。
学生時代の出来事だったからまだ良かったものの、もっと年齢を重ね、結婚を考えるような人に同じように依存し合ってる女友達がいることを暴露されたらたまらない。
私が依存的な男性には苦手意識が出てしまうのは、この一連の経験が災いしてるのかと、今振り返って納得した。