日々、入っては出ていくお金。全然貯金がないけど不安もないという人、貯金はなんとなくしているけど不安という人、資産運用もしっかりして貯金が命ですという人……と、自分の手元にいくらお金を残すか?という価値観も人それぞれ。

周りがどのくらいお金を持っているのか、気になるけれど、なかなか聞けるものじゃない。今回はみんなどのくらいお金を持っているの?という疑問を、データと一緒に紐解いていきたいと思います。

意外と少ない?!みんなの資産額

貯金や資産のデータを発表しているところはいろいろありますが、今回は日本銀行の組織である金融広報中央委員会の調査を見ていきたいと思います。
見ていくのは、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」より、金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)という調査結果です。
「世帯」というのは生活を営んでいる単位のこと。
どんな調査なのか簡単にまとめると、一人暮らしの人など一人世帯の人で、銀行口座や証券口座を持っていない人も含めた資産額の調査です。
早速、調査の結果をみてみましょう!

20代の金融資産保有額は、平均176万円、中央値20万円です!!!!!!!
どうでしたか?意外と少ないと感じた方も多いのではないでしょうか。
平均はよく使われますが、中央値ってあんまり聞きなれないですよね。
ここでいう平均値というのは、この調査を受けた人全員分の合計をその人数で割った金額。なので、少しでも金額が高い人がいれば、その数字に引っ張られて平均の金額は高くなるんです。
一方で中央値というのは、この調査を受けた人で、金融資産の保有額が少ない人から順にならべてちょうど真ん中に来た人の金額のこと。つまり、調査をした人の中では、金融資産保有額が20万円の人が真ん中だったということです。
それを踏まえると、20代の金融資産保有額としてより現実的な数字に近いのが、中央値の方だと言えるでしょう。

ちなみに、30代は平均494万円、中央値75万円。こちらも中央値のほうがより実際に近い数字ということを考えると、20代、30代では100万円の金融資産がある人も少ないということになります。

最低限「手取りの3カ月分」の“お金の防災袋”を用意しよう

結果を見てみると、「みんな意外と少ないし、ほかの人より全然貯金ができていない…」という不安は少し解消されるかもしれません。でも、投資でめちゃくちゃ稼いでいるとまではいかずとも、貯金や資産自体は少ないよりはあった方がいいことは事実です。
そこでまずは “お金の防災袋”となる金額を目標にお金を貯めていきましょう。

どのくらいの金額を目標にお金を貯めていけばいいかというと、最低でも自分の今の手取り3ヶ月分くらいです。なんで3ヶ月分なのか?というと、1つ目が仕事をやめたときに会社員で雇用保険を支払っていた人がもらえる失業給付や、病気やけがで大きな出費があったときに一部の金額が支給される高額療養費制度などなど、国の制度を活用した場合に申請してお金が手元に入ってくる時期的な意味で大体それくらいをみておいた方がいいのと、2つ目がどういう状況かにもよりますが、まったく収入がない状態でも3ヶ月あれば次の準備にも使える期間ということで、いったん3ヶ月としています。

もちろん、多ければ多いほど収入が入ってこない間も安心して過ごせます。ただ、最初の貯金額の目標として、今の手取り3ヶ月分を絶対手を付けないお金の防災袋として貯めることを目指してみてください。

焦りすぎもよくないですし、かといって「みんな少ないからいっか」と安心してしまうのもよくはありません。
全然貯金がない人はまずは手取り3ヶ月分から、ちょっと余裕があるぞ!という人は引き続きゆるーくでも資産を増やし続けることを頑張っていってくださいね。