まとまってスマホを見ない時間があるとするならばそれは寝ている間ぐらいだ。

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スクリーンタイムを確認すれば週平均10時間はスマホの画面を見ているらしい。9時に起床して2時に就寝する大学生の生活で17時間活動しながら10時間もスマホを見ており、起きている時間の約59%の時間をスマホに費やしていることになる。もはやこの小さな端末に1日の半分以上の時間を費やしているとなると恐ろしい話かもしれない。いまやスマホはもう1人の自分というぐらいパーソナライズされているし、そうなるほど使い込んでいる。絶対に落として誰かに覗かれるなんてあってはならない、覗かれたら自分という人間が他人にバレてしまうかもしれないと不安になるぐらいなくてはならないもので間違いない。この感覚はもう私のスマホ依存度を表しているようだ。

そんな私がほとんどスマホを触らない時間がある。それが競技ダンスの練習中だ。大学から始めた競技ダンスだが、社交ダンスということもあり相手ありきのスポーツという特徴もあり、スマホを開かなくともあっという間に時間が経つ。というより、ずっと相手と話し合い歩み寄って練習しているのでスマホを見る暇がない。授業中もスマホでメモをとり、アルバイト中ですらスマホを触っていても特に問題がない環境なのでダンス部に入っていなかったら私のスマホ使用時間は今より長くなっていたこと間違いいだろう。こうした生活の中では非常にレア度の高いスマホ離れの時間である。

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練習が終わったときや、練習の途中で自分たちのダンスを撮って確認するときにたまった通知を見るとその数に驚く。沢山の通知やチャットが並んでおり、私が練習をしていた数時間の間に行われたかもしれないスマホ上の操作ややり取りの数が見える化されたような感覚になるからだ。

また、練習中使わないでいれば案外使わずとも私は暇を持て余すことがないらしいということや、誰かから来たかもしれない連絡を確認しなければならないという義務感もさほどないのかもしれないことに気がつく。無限に流れてくるフォロワーの情報を確認しなくてもつまらない時間ばかりではないし、いちいち連絡を確認しなくても私の周りで勝手に世界は回っているらしいのだ。

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ただ、スマホを触れないぐらい立て込んでいなければ今の私がスマホを見ない時間はない。結局、何よりも知識欲を満たしてくれて手軽に様々なツールをもたらしてくれるものはスマホであるし、だからこそ見てしまうし完全に切り捨てることはなんだろうなと思う。

しかし案外そんなに何度も開かなくても開いてるときと同じように勝手に時間は経つし、スマホを見ている時間と見てない時間は違うようである意味変わらないのかもしれない。この気づきがあるとどこか意味もなくスマホを確認している生活が主軸でも、スマホを見ない時間について少し積極的に過ごせるかもしれないと思った。