「未婚だけど、バツイチのお相手の方が、結婚に向いてるんじゃないか?」
「離婚してからは、今度はバツイチの方と出逢いたいと思うようになった…」
「先月、ついに離婚したの」
周りでも離婚やバツイチという話題をよく聞くようになった。世の中的にもいまや3人に1人が離婚しているそうだ。
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「私は離婚したばかりだから言うけど、絶対にマザコン男子とは結婚しない方がいい。何したって、向こうの親との力関係に勝てないから」
「結婚までの話は皆教えてくれるけど、結婚後の話って誰も教えてくれないよね。結婚してからの方が、悩むことが多いなぁ。だから、結婚急がないで欲しい」
結婚を決める時、誰もまさか自分たちが離婚することになるとは思わないだろう。離婚したときくと、「 強く結ばれた絆じゃなかったのか?」となにも知らない未婚の私は思ったりするのだが、どうもそうとは限らないらしい。
「20代後半、30代なんて、キャリアのことで環境や性格、経験による価値観も変わっていくから、相手も自分も日々変化していく。そこで結婚という契りがあると、どうしても相手の人生にも責任を持って決断していかないといけない。未婚の時のように、自分だけで自分の人生を追い求めることができない。だから、よく悩むようになった」
ある同世代で既婚者の友人は、そう言うようになった。
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私は、本当の意味で「(相手がいるおかげで)、自分を受容できるようになった。より自分らしくいられるようになった」と思うようなお相手とまだ付き合ったことがない。
どちらかというと、心の中では相手を失うことを恐れて本音がいえなかったり、当時、自分の欠陥だと思っていたところが、逆に相手はすごく長けていて、相手がその埋め合わせをしてくれることを、心のどこかで期待していたのだと思う。
だから、相手の魅力的な部分が、次第に苦しみになり、好きなはずなのに、いつしか相手への怒りの感情が生まれ、素直にその人の人生を応援できず、相手を受容できずにいたりした。
だから、「結婚したばかりなのに離婚した」と聞くと、私にとって、結婚までの道のりがもはや奇跡のように感じるのに、なぜ破綻したの?と正直驚いたりする。
でも、離婚した友人たちを見ると、どこか解放され、自分らしく生き生きと仕事をして、また新たなお相手と結ばれようとしていたりして、「生きるって、こういうことなんだな」と個の生命力を感じたりする。
「離婚がダメ、バツイチはダメ」なんて、あくまで世間体であって、幸せは自分で積極的につかみにいくものなんだと感心したりする。
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今の世の中は、これだけ変化と多様性の時代になり、「自分の幸せは、自分で選び・つかみに行く」ような男女ともども意思ありきの自立型社会で、ふらっと思考停止で寄りかかることができる組織や共同体は、どこか崩壊しているように思う。
親世代がいうような、「結婚すれば安泰」「〇〇すれば安泰」という保証はない。
社会変化もあれば、それに合わせ、もちろん個人も変貌や人生を切り開いていかないといけないので、個人も役割も変わりやすい。変わり続ける中でも、お互い一緒にいることで、より良い人生が歩めている・歩めそうだと実感できてこそ、別々の2人が一緒にいる意味なんだろうな、とまだ何も知らない私は勝手に思っていたりする。