「他人のためじゃなくて自分のために努力をしたら?」。

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努力は誰かのためにするものではなく、自分のためにするものだ。

当たり前のことだとわかるが、私はしばらく自分軸で生きていなかった。

そのため、冒頭の言葉を友達に言われた時はドキッとした。字面だけで見るほど辛辣ではなかったが、長年の私の様子を見て出た言葉だと思う。

他人軸で生きる弊害は、他人に自分の価値観や幸せのあり方を押し付けてしまうことにあると考える。

つまり、誰かに自分自身の価値の判断を委ねてしまうことであり、 また誰かに幸せにしてもらおうと思ってしまうことだ。

自分が幸せだと思うことは自分で決める。

そのようなマインドで生きていくことが大切であるとわかった。

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高校生の時は彼氏がいるか、いないか、交友関係や見た目、持っているものが華やかどうか。そういう価値観の中で生きていた。

彼氏がいなくて人見知りの私は、スクールカーストの底辺であったし、勉強ができても自分の夢に向かって努力をしていても、意味がないと思っていた。

自己肯定感なんて言葉は私にとっては無縁であった。

高校卒業してから約10年が経ち、ようやく彼氏がいなくても自分が幸せなことに気づいた。彼氏がいることが、結婚していることが全てではないということに気づけた。

仕事に慣れてきて、自信がついたからかもしれないが、一番大きな理由は自分のために努力することがきっかけだったように思う。

筋トレを頑張ったり、自炊を増やした。

見た目も、もっときれいになりたい、自分の理想に近づきたいと思い、髪の毛をここ1年ほど伸ばしてきたし、マツエクを初めて付けてみた。

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自分自身が、なりたい自分に近づけたので満足であったが、見た目が変わったことで会う人会う人に嬉しい声をかけられるようになった。

みんな揃って「雰囲気変わったね」「垢抜けたね」「可愛くなったね」と声をかけてくれてとても嬉しい。

しかし、みんな口を揃えて聞くのが「彼氏できた?」であった。

彼氏の見た目の好みに合わせているか、もしくは彼氏ができたことによって、外見に変化が出たか。

男性の影響を受けて、私が見た目を変えたと思ったらしい。

マツエクを始めたきっかけは、友達の結婚式でより華やかに見せたいためであった。

社会人になって、私は変わったことを見せたかったのかもしれない。

しかし、結婚式が終わった今でもマツエクをキープして、長くなった髪を毎朝ヘアアレンジしているのは、自分の理想を保つための努力でやっていることだ。

誰かのためではなく、自分磨きだと胸を張れる。

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実は、自分が他人軸で生きていたのだなということは分かるが、もう自己肯定感が低かった頃の自分が思い出せない。

こんなに自分のために努力をしている私が、素晴らしくないわけがないと思っている。

これは新しい自分に生まれ変わったというサインだと信じたい。

もちろん自分だけの努力ではなく、周りの人の助けがあったからだということを実感している。

あとは、まだ人生の勝ち負けという思考をしてしまうことがあるので、その場の短絡的な思考に振り回されずに、長い目で見た時どうなのかと考えるマインドを持って生きていきたい。