青春とは無縁の学生時代を終え、人懐っこい笑顔の彼に出会った
恋愛は疑似体験ばかり。
少女漫画に乙女ゲームを散々やってきた。物語にのめり込む。それが楽しかった。勿論、現実の恋も興味はあった。でも、勉学を疎かにするのは出来なかったし、何より女友達と過ごす日常が楽しくもあり、居心地が良かったのだ。
そうしてあっという間に学生時代は終了。思い描いた青春なんて一切なかった。
そんな私にも、最近の子からすれば遅咲き?の春がきた。高校卒業後、社会人になり、そこで知り合った人に恋をした。
決してイケメンと言える部類ではなかったが、おおらかな人柄で、体格が良く、笑った時の人懐っこい表情が愛嬌あって、何よりよく周りを見ているしっかりした面も持ち合わせていた。所謂ギャップにやられたのだ。
出会ってから付き合うまでのその間は彼に見てもらおうと必死で仕事も頑張ったし、さりげなく彼と仕事が被るようにしていた。会話も増え、一緒に食事に行くようになり、遊びに気軽に誘えるようになって、そこで私から告白した。その時の緊張感は今でも忘れられない。
アタックして付き合った彼と別れた。“1回目”の理由は…
ここまで聞くと私はだいぶ積極的な性格だと思う事だろう。
実際は...『NO』。
むしろ消極的で、自分に自信が無い。石橋は叩いて渡るどころか、叩いてる自分すら信じられないから誰かに変わってもらい、後を付いてくような臆病者。
じゃあ何でそんな大胆とも言えることが出来たのかって?
それは、経験上私の好きになる相手は競争率高目だから。ボケっとしていると取られちゃう。少しくらい大胆に行かないと存在すら覚えて貰えない。
そんな理由。我ながらに必死さが伝わる。なんせ、若かったしね...。
改めて思い出すと恥ずかしいものだ。
でも、このエッセイを書いてるから分かるように、別れるんです。私達。
何故かって?
『元カノのことが諦めきれない』
そう、この彼、何を隠そう未練タラタラ男だったのです。
でもコレ言われたのは1回目。
???
お読みの皆さん、きっと「どういう事?」となったでしょう。
何故なら...よりを戻したから。
話の展開的にもそんな事だろうと思われた方もいるでしょう。
ただ、ここからが問題だったのです。
復縁も長くは続かなかった。ダメな理由を探し、自分を責めた
私が復縁したキッカケは彼がわざわざ送ってきてくれた一通のLINE。そこには『風邪をひいた』そうあったのです。きっと寂しかったから誰かにいて欲しかったのでしょう。それも別れたばかりだから。
栄養ドリンクと、夏だったこともあり、経口補水液、熱さまシートを買って彼の家に。とてもぐったりしていて、辛そうで、どうにか楽にならないかと懸命に看病しました。それが幸をなしたのか、彼も回復し、それと同時に今度は彼から「こんな俺でも良ければまた付き合って欲しい。そばにいて欲しい」そう言ってくれたのです。
嬉しくて泣いたのを覚えてます。
でも、思い出す。過去に振られた理由。『元カノのことが諦めきれない』
そう、コレが私を苦しめたのです。
いつもどこかしらでチラつく元カノの気配。また直ぐに離れちゃうんじゃないかという不安。ただでさえ自分に自信が無い。だからか、彼の望む通りにした。負のループ。彼に依存し、何事もないように繕っても、やっぱり彼はどこか気付いていて、長くは続きませんでした。
私が精神的に自立出来ていなかった。
私がまだ幼すぎた。
私が恋愛初心者過ぎた。
理由はいっぱい考えられるけど、彼は口を濁し、『お互いの為に別れよう』それだけ言って私達は別れました。
当時の私は、もっと話し合いたかったし、何でかをもっと教えて欲しかった。何でも直すから。何でもするから。そう思っていた。でも、これ以上追い詰めてもきっと元には戻れないだろう。それを悟り、何も言えなくなった。
独りで家に帰って泣いて、泣いて、泣き腫らして、何がダメだったのかを自問自答していた。
相手に憎悪が向くよりも、上手く立ち回れなかった自分を責めた。その当時、この世の終わりかってくらいまで落ち込んだ。
別れ自体は寂しかったけど、私の人生には不可欠な経験だった
そんな私は今は立派とまでは行かないが、一児の母だ。
勿論お相手は彼とは違う男性。
今思うと、あの時最後に言った『お互いの為に別れよう』の本当の意味、私なりの解釈だけど、こうなのではないかと思う。
彼の元カノさんは実は私の知り合いのお姉さんだったのだ。その人は、愛くるしい見た目と裏腹に、とても芯が強く、自分という存在を確立させている強い人だった。きっと、そんな元カノと比べた時に、彼は私に頼りないとか、そんな気持ちを抱いたんだと思う。
また、そんな私にさせてしまった責任を感じていたのかもしれない。仲良くなるとなんでも言うタイプの私をきっと知っていたのだろう。でも、自分の前ではそれを見せなくなった。無理をさせている。自分では幸せにすることは出来ない。もっと別に良い人が、もっと私に合う人がいる。そう思ったんだろうな。
別れ自体は寂しかったし、もう自分には相手が出来ないと思って絶望していた。
でも、この別れは必要な別れで、人生経験の1つとして、人としての成長の為に私の人生には不可欠だった様に思う。特に精神的な面で。
おかげで今の旦那に出逢えたし、我が子を抱くことも出来ている。
出会いと別れ。どんな別れでもどこかしらで寂しさを感じるし、タラレバ話をよくしてしまうものだと思う。
別れた直後はそれでいいかもしれないが、2年とか3年経っていればそこから得られることを吸収して次に繋げていくべきだなと、個人的には思う。
失敗を糧に恋愛アドバイザーになるでもいいし、次の恋に活かすでもいい。活かし方は人それぞれで、人の数だけ答えはあるだろう。私も過去の失恋での経験のおかげで人間として不足していたものに気付かされた1人だから。