学生時代はそれなりにバレンタインというイベントを楽しんで来た覚えはある。小学生のときは、同じクラスの女子3人で当時クラスの人気者だった男子に、3人で一緒に作ったカップケーキを渡した。

蓋をあけてみれば、全員振られているのだが、バレンタインのイベントを子どもなりに楽しんだ微笑ましい思い出になった。

中学生、高校生はバレンタインのイベントを楽しんでいた。

中高生の頃は、そもそも2月半ばはテストの時期で、なかなか忙しい。その中でもお菓子作りの時間は確保していた。何日も前から何を作りたいか考えて、友達にも何を作るか聞いて、被らないようにする気合の入れようで、2月に入る前あたりからワクワクしていた。

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バレンタインの時期に彼氏がいたこともなく、いい感じの人がいたかどうかは思い出せない。そのため、残念ながら友チョコ作りがメインであったので、彼氏や好きな人のためにちょっと豪華な箱を用意して、手紙をつけて…という特別なことはできていない。

でも、ちょっとでも凝ってると思われたくて、ラングドシャや色んな味のラスクにも挑戦し、毎年違うものを作った。男子はチョコの数を気にしていたけれど、女子も色んな人から貰えると嬉しかった。普段あまり喋らないクラスメートとも、チョコを交換する際にコミュニケーションを取れたので、友チョコは良い文化だったかなと思った。

大学生活では2月はもう春休みに突入していたので、特にバレンタインで盛り上がった思い出はない。バイトの掛け持ちで忙しかった記憶だけが残っている。バイト先には日頃の感謝を込めて、ファミリーパックのチョコを持って行っていた。

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社会人になってからは、どうであろうか。

コロナ前までにいたチームでは、男性陣もお返しが大変だろうということで、最初から渡さないことにしていた。世間的に見れば珍しいチームだったかもしれない。

ある程度女性が多かった職場であったが、チーム分のチョコレートを予算内で選びに行くのは若手の仕事だったであろう。そのため、チョコ選びのセンスを発揮しなければならない重要な役目から解放されて胸をなで下ろした覚えがある。

コロナ禍以後は2月14日に出社をしておらず、大々的なバレンタインイベントは発生しなかった。それでも念の為、スーパーでチョコのお菓子を買ったし、自分用にデパートのバレンタインフェアを巡ることは欠かさなかった。

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学生時代のようにチョコ欲しさにバレンタインデーをアピールしてくる男性もいない。そう思っていたのだが、去年はバレンタイン近くに飲み会があり、男性陣からは「もうすぐバレンタインだ」という話題が出た。

お返しが大変だということは置いておいて、やはりバレンタインにチョコをもらいたいと思っているのかもしれない。

好きな人にバレンタインチョコを渡したのはいつだろうか。

学生の時のように、バレンタインというイベントをワクワクしながら迎えられなくなってしまったなと寂しく思った。