地元で特に気になるジェンダーギャップは、結婚についてかもしれない。古い考え方や風習がまだまだ残っている私の地元。近所には、小学校から一緒だった子たちの実家がある。ほとんどみんな結婚している。田舎だから結婚が早いというのもあるかもしれない。

高校を卒業してから上京し、社会人になった今も東京にいる私。地元を離れたことで精神的な自由を得ただけでなく、結婚のタイミングは人それぞれという風にも思えるようになった。だからこそ、帰省するのが時々嫌になってしまうことがある。

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母に会うのはすごく楽しみ。でも、他の地元の人たちにはあまり会いたくない。いつも必ずと言っていいほど、聞かれることがあるから。

「みちるちゃんは彼氏いるの?」
「結婚してるんだっけ?」

表情には出さないけれど、その言葉に毎回うんざりしている。

世間話の範囲で聞いているのかもしれない。1回ならまだいいけれど、いつも聞かれるとイラッとしてしまう。東京から帰ってきているのだから、仕事のこととかもっと他に聞くことはあるだろうに。

自分の娘が結婚して家庭を持っているから、それが当たり前だと思っているのかもしれない。私が未婚であり、恋人もいないことも伝えると、哀れむような表情で色んな言葉を掛けられる。

「いい人紹介しようか?」
「まあ、タイミングがあるからね……」

田舎というコミュニティにずっといて、私が異質のものに見えるのだろうか。愛想笑いで乗り切り、いつもモヤモヤが心に残る。母に「結婚していなくてごめんね」と謝ったこともある。「何も悪いことしてないでしょ? みちるの幸せは自分で決めていいんだよ」という母の言葉に、何度も救われた。

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独身で非リア充な私。地元の人たちからは同情されがちでも、一緒に上京した親友や東京で出会った人たちは違う。私のことは哀れまないし、仕事や趣味をすごいと言ってくれたり、夢に向かって頑張っているのを応援してくれたりする。あと、地元の人たちには言っていない(そもそも言う必要もない)けれど、好きな人はいます(笑)。

また、嫌な地元であっても、心が満たされる瞬間がある。私が帰省する度に「こんなに帰ってきてくれて、お母さん幸せだなー」と、いつも喜んでくれる。毎朝、だし巻き玉子を作るだけで、何度も「美味しい」と言いながら食べてくれる。掃除や洗濯などちょっと家事をするだけで、笑顔で「ありがとう」と言ってくれる。母から「みちるは私の一番の宝」と言われるたび、母との時間を大切にしながら、たくさん親孝行できていると実感している。

恋愛や結婚は絶対にというわけではないし、いつまでにという決まりもない。自分の幸せは、誰かの目を気にせずに自分自身で決めていい。定期的に母に会えて、いざというときに寄り添ってくれる親友もいて、心から好きな人もいる。私は今、とても幸せです。