20代のうちにしておきたいことは、旅行をたくさんすることだ。
私は今、国内海外問わずいくつか旅行に行く予定を立てている。
今年の10月、11月、12月と、ひと月ごとに旅行の計画を練っており、新幹線や飛行機のチケットの手配、宿の予約、どんなところに行きたいかなどをわくわくしながら準備を進めている。
旅の良いところは、普段の生活とはまた違った風景や文化に触れることや、現地の人の生活の雰囲気を感じ取れること。
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もちろん旅行の中で、トラブルもつきものだ。
私は、22歳の時に母とフランスのガイド付きツアーに参加したことがある。
ガイドさんが先頭を切って、フランスの田舎と言われる場所に連れて行ってくれたり、日本人がめったに来ないという村に行った。
もちろん主要な観光地も案内された。
そして、その旅行の中での一番のメインがパリでの自由行動ができる日だった。
その日は、タクシーを使ってルーヴル美術館に行く予定だったのだが、なんとパリのタクシーの運転手全員がストライキを起こし、その日は一日中タクシーを利用することができなくなってしまった。
自由行動の日は、ガイドさんはついてこず、自分たちの力で何とか行きたい場所まで行く必要がある。
私と母がどうしようかと悩んでいると、「パリには地下鉄がある。それを使って行くことができる」とガイドさんが助言をくれた。
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地下鉄の1日フリーチケットを買うのに、私と母で協力しながら拙い英語を使い、何とか駅員さんからチケットを得ることができた。
チケット購入後、アナウンスも何もない電車なので3つ目の駅、3つ目の駅だぞーと確認しながら、電車に乗った。
電車内は、スリに遭いやすい場所でもある。鞄をしっかりとコートの中に隠し、常に気を張っていたおかげか、スリに遭遇することはなかった。
しかし、日本人という自分の立場がフランスに来てこれほどまで目立つとは思いもよらなかった。
地下鉄の中では、視線をとても感じた。肌の色や顔の作りが違うからという理由でこんなにも注目されるものなのかと初めて知った。
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とにかく何とか無事に目的のルーヴル美術館に着いた。
ここで一安心かと思いきや、違った。
ルーヴル美術館の広さはとんでもない広さで、1日では足りないくらいだった。
前もって見たい絵画や有名な彫刻を母と相談して決めておいてよかったと、その時心のそこから思った。
もちろん美術館には、絵画の説明をしてくれるガイドさんもいたが、私たちは自分たちの見たいものだけを見ようと決めていたので、母と2人で自力で回った。
ちなみに2人とも極度の方向音痴である。しかし、美術館の案内マップとにらめっこしながら、幸運なことに見たかったものはほとんど見ることができた。
美術館を迷わず進めて良かったとほっとしたのも束の間、美術館の出口が全くわからず迷ってしまった。
困り果てたが、幸いにも美術館のスタッフさんが近くを通ったため事なきを得た。
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さて、こういった経験をしたことで、ハラハラもしたが同時に旅行のトラブルがあっても何とかなるという自信が少しついた。
そして、旅行をすることで自分にはどんな力があるのか客観的に見ることができる。
自分にとって旅行をするときに必要なものもわかってくる。
例えば、私の場合は、フランスの旅行の時は英語やフランス語がもっと話せたら、より楽しむことができて、現地の人にお勧めを聞いたり、たわいのない話もできてさらに楽しくなっただろうから、次行く時までに勉強しておこう、など。
旅行は自分を一回り、いや二回りも成長させてくれる。
次に行く場所では、自分はどんなふうになるのだろうと今から楽しみだ。