人間って生きていると日々沢山の怖いもの、恐怖に直面する事があると思います。
それでなくとも最近の世の中は本当にこれは日本で起きている事なのか?というレベルの痛ましい出来事がニュースで日々報道されているし、自分がいつその狂気の餌食になるかも分からない物騒な世の中になっていますよね。
安全な日々を生き抜く事も少し難しくなってきている現代ですが、私はそんなリアルと同じくらい自分の見る「夢」に対して恐怖を感じてしまうのです。
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初めて怖い夢を見たのは、覚えている限りで自分が小学校低学年の時でした。
当時私は席替えで隣になった男子とあまり馬が合わず、その人が苦手で苦手で日々学校に行くのが憂鬱になる程であったのですが、そんな日常が暫く続いた後、ある時こんな夢を見たのです。
それは、私がいつものようにランドセルを背負って朝学校への道を歩いていると、何やら後ろから足音がします。その音はだんだんと忙しなくなって、思わず振り返ると私の目に飛び込んできたのは、先の尖った木の棒のような物を持ってこちらに突進してくる件の隣の席の少年の姿でした。
私は恐怖に慄き、迫り来る彼から即座に逃げようとしましたが、夢の中であるし思うように緊張で身体を動かす事ができず、その場から足を踏み出す事もできません。そして、彼との距離が0ミリになり、手に持つ凶器が私に突き刺さろうとしたその瞬間ーーふ、と目が開き、私の意識は現実世界に引き戻されたのでした。
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覚醒した瞬間、心臓はバクバクと鼓動し、信じられないくらい大量の汗を全身にびっしょりとかいていました。
数十分すると激しい鼓動と汗は少し落ち着きましたが、再び目を閉じたら先程の夢の続きを見てしまうのではないか、今度こそ私は彼の手にかけられてしまうのではないか……脳内を駆け巡る様々な恐怖に怯え、その日はもう外が明るくなるまで再度眠りにつく事はできませんでした。
それからも私は度々、怖い夢を見ました。小学生の時に初めて見たそれと同様に誰かから刺されそうになる夢、見知らぬ人物が自宅に押し入って来る夢、未知の化け物が充満する世の中から逃げ惑う夢、等々……冷静に考えればそんな事が現実に起りうる訳がないと分かるのに、一度眠りに堕ちてしまうと再び目を醒ますまではそれに気が付かないのであるからまったく救いようがありません。
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現実世界と違い、夢を見ている最中に受けるダメージからは痛みが発生しない、とされていますが、人間はこういう事をされたらこういった痛みを感じる、というイメージを多少はする事ができてしまうので、たとえ痛覚が夢の中では発生しなかったとしても、ある程度は想像上の痛みを受ける事になってしまうと思われます。
現に私も初めて見たこの刺されそうになる夢はギリギリで回避できたものの、その後今度は本当に刺された夢を見た際には、鋭い衝撃と何ともいえない鈍い痛みを感じましたし、その後飛び起きて覚醒した後もまだ夢の中で相手に刺された箇所はジンジンと疼き、その感覚は中々消えてはくれませんでした。
眠っている間はその間に起きている出来事が今リアルタイムで発生している事態、と信じて疑わないのですから全く生きた心地がしないし、その後目が覚めても疲れが取れるどころか逆に疲弊してしまいます。
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ほんとに、今まで見た夢の中で良い夢ってほとんどないように思います。実際は自分が思っているよりも見ているのかもしれませんが、負の出来事の方がインパクトが強く印象に残っているのと同じように、たとえ見たとしても怖い夢に比べてすぐに忘れてしまっているのかもしれませんね。
そんな感じであるから、私は時に眠るのが非常に怖い時があります。どんなに疲れていても、早く寝ないと明日の仕事に備えられない……と分かってはいてもまた夢の中で想像を絶するような恐ろしい出来事を体験しなければならないのかもしれない、という懸念がどうしても頭から消えないのです。
誰か、頭の良い研究者の先生方がこれを飲めば絶対に怖い夢を見ない!という保証ができる薬を開発してくれたりしないでしょうか。本当に、それを日々願うばかりです。