大学生で出会った友人。彼女は沖縄出身。外見からの印象は、化粧が濃いめのちょいギャルみたいな感じで、男子とも仲がいいし、いつもワイワイしていて、いわゆる陽キャだったと思う。
大学に入って人見知りが炸裂し、それなりには話せるけど、なかなか自分を出せずにいた私にとっては少し近寄りがたい印象だった。

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学部が同じで、偶然にもサークルが一緒になった。最初こそちょっと怖くて身構えていたものの、段々と話していくと怖い子ではないと知った。

正直、静かな子とはあまり話さないタイプかと思ったら、意外と誰にでも分け隔てなく接していた。その代わり、好き嫌いははっきりしていた。友人想いで、賑やかなタイプだけれど、一緒にいて安心感があるような、不思議な感じ。

彼女は恐らく自分自身のことも大好きだったと思う。自信が溢れていたし、自分が考えていることやりたいことに常に素直だった。

どちらかと言えば恐らく陰キャに分類され、人見知りで、遠慮がち、自分を出せなくて、いつも自信がない私だったけれど、彼女は私を認めてくれていたように感じた。

身なりに気を使い始めた時期は、かわいいと言ってくれたし、恋愛が上手くいっているときは一緒にはしゃいでくれたし、逆にあまり上手くいっていないときには正直な意見をくれた。

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私が社会人の彼と付き合っている時、自分ばかりが好きで、彼からは愛情を感じられず常に寂しい思いをしていた。彼女にも度々相談や経過報告はしていた。

私もそうだけど、友人がもし本当に良くない相手(犯罪しているとか、暴力を振るわれるとか、浮気しているとか)と付き合っているとかだったら、やめたほうがいいんじゃない?と言うけれど、ただお互いのリズムとか性格とかがうまく噛み合わなくて、うまくいっていないような時はきっと、別れたほうがいいなんて言えず、そっか寂しいねとか嫌だねとか、こうしてみたら?くらいのことしか言えないし言わないと思う。

でも彼女は私に対して別れたほうがいいと思った時には、はっきり言ってくれるタイプだった。その時は薄々自分でも分かってはいたものの、認めたくなくて、彼との明るい将来を諦めたくなくて、盲目だった。本当に盲目だった。

それほど経たないうちに彼との時間は終わりを迎えた。辛かったし苦しかったけど、少し落ち着いて考えられるようになったら、彼女の言う通りだったなぁとしみじみ。よく友人のアドバイスを聞くべきだと言うけれど、本当にそうだった。

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彼女はそんな子。はしゃいでいるように見えて、講義もしっかり受講しているし、早い段階から将来のことも考えていて、芯があった。
もちろん私なんて彼女と常に一緒にいたわけでもないし、たまに同じサークル内の彼女といつも一緒に行動している子たちと喧嘩をしたというような話も聞いたことがあるから、彼女の全ては知らない。良い部分しか見えていないかもしれない。

でも、あの時私は確かに彼女といて楽しかったし、自己肯定感が上がっているような気がしたし、その時の自分が好きだった。彼女のようにいつも明るくて、素直に好き嫌いを表現して、自分を好きでいられたらどんなにいいだろう。

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彼女は卒業とともに地元に帰ってしまった。遠く離れてしまってなかなか会えなくなってしまったけれど、またいつか会いたいな。今ではほとんど連絡もしていないけれど、本当にたまにInstagramのDMで話したりする。また会いたいね、なんて。

すぐに会える距離にいないのは寂しいけれど、遠く離れた場所にまた会いたい人がいるのは良いことだなとも思う。

彼女の沖縄独特のイントネーションが好きだった。可愛らしくてあったかい気持ちになった。私の中の彼女はいつもごきげんで、そんな彼女といる私も、ごきげんだったのだ。