海外でバケツの中身を減らして感じた「私は今、生きている」

「今、私は生きている……!」この心情を抱いた時、私は幸せを感じる。
社会人3年目。仕事にも慣れてくる頃に仕事を辞めた私に待っていたのは社会と切り離された孤独感だった。
「今しか行けないところに行こう」私はペルーへと旅に出た。
旅中に出会った人にこんなことを聞いた。
「海外に来ると人生が変わるっていうのは、間違ってないと思う。日本にいると、自分の中のバケツは仕事や人間関係とかでいっぱいになる。でも、海外に来るとそれらと自然に距離ができることで、バケツの中身が減って、文化、価値観を吸収したり自分のことを考える余裕ができる」
ペルーの街クスコからバンで6時間、その後10kmの道を約3時間かけて歩き続け、ようやくマチュピチュ村に到着した。
マチュピチュ村からさらにバスで30分。写真でしか見たことなかったマチュピチュ遺跡が目の前に広がる。
山々に囲まれ、雲を横目に見ながら広がる都市遺跡。身体中に伝わるビリっとした感覚と同時に溢れる涙。「私は今、生きている」そう強く感じ、全てに対する感謝が生まれてくる。「ありがとう」そして、こうも思う。「幸せ、まだ生きていたい」。
これこそ、私にとって旅に出る意味だと思う。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
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