私は休職を選ばなかった。
理由は頭が回らなくなっていたから。

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新卒で入った会社で初めての異動。
異動となった先の新たな上司の指示は二転三転する。
上司の指示で作成したものを別の上司に「センスがない」と酷評される。
これらが積み重なって、仕事をしながら涙が止まらなくなった。

仕事が終わっても憂鬱な気分が続き、何をする気にもなれず、SNSをダラダラ見ることしかできなくなった。 あれだけ大好きだった小説も読めない、映画もドラマも見られない。
「ここから逃げたい、どうすれば逃げられるんだろう」と思うようになってしまった。
仕事の否定が人格の否定とイコールではないこと、仕事がすべてではないこと、頭ではわかっているつもりだったが、半年ほどで限界が来た。
もうやってらんねえ!!!!!なーんで私がこんなにしんどくならないかんのや!!!!!!と思い、直属の上司に退職の意思を示した。

ところが、なぜやめるのかと理由を詳しく聞かれ、「転職活動をしながらでいいから、もう少し働かないか」「しんどいなら休職という手もある」などと食い下がられた。

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休職をして一度職場から離れる。
転職活動をしながら、次の職場を決めてから辞める。
これらの選択肢は一般的に良いとされている選択肢だと思う。
だけど私にはできなかった。

休職をしたって、また同じところに戻るなら結局しんどいし、そもそも休むまでにあれこれと押し付けられるのは目に見えていたし、転職活動をしながらといっても、こんなに精神的に限界が来ていて面接に受かるはずなくね?と思っていたからだ。
それと雇用保険を払っているのだから、ハローワークを活用しないともったいないとも思ったので、次を決めずに退職することにした。

そんなこんなで直属の上司に強い意志で「退職します!」と伝え、もう一つ上の上司には働く期間をニか月延ばされながらも、無事に円満に退職ができた。

これは余談だが、期間を延ばしてきた張本人(上司)が「よく働くねえ、私はようやらんわ」と言っていたらしい、ということを聞いたときは愕然としたし、やめてよかった~~~~と心の底から思った。

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私にとっては、退職してから就職活動を始めるまでが休職期間みたいなものだった。
定期検診のために病院に行った。ハローワークや保険や年金の手続きを調べた。今まで読めなかった本をいっぱい読んだ。 気になっていたドラマや映画を見た。行ってみたいご飯屋さんや博物館に行った。家族や友達とたくさん話した。
その期間、上司から受けた叱責の数々がフラッシュバックして寝れない日もあったけど、少しずつ自分を取り戻した。

のんびりすることで、少し冷静になれて、自分の強みややりたい仕事や退職理由などを整理することもできた。人の手を借りることに申し訳なさを感じていたけど、ハローワークで担当の人に相談に乗ってもらうこともできた。
これらの結果として、ある会社に内定をいただけた。今までの職種とは違うけど、なんとかなる、なんとかする!という意気込みだ。

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私は実家暮らしで、貯金も多少なりともあったので、一旦やめてゆっくりするという手段が取れた。
そうもいかない、切羽詰まっている、という人も、誰かしら人の手を借りて自分の思考整理をしてみてほしい。 一人でぐるぐる考えていると極論に行きついてしまうので。
休職でも退職でも、どうか、心地よく生きていくためにはどうすればいいかを見つけられますように。