片道航空券で香港へ。あれから19年、進化し続ける街と生きた日々

1994年1月15日、まだ日本では祝日だった日に、片道航空券でCathay Pacificの香港行きに乗りました。
航空券は紙だったし、日本は寒かったのでレギンス履いてウールのパンツとブーツでした。
アップグレードされてビジネスクラスになり、「これは幸先がよいに違いない」と思い込むことにしました。
機内で隣の席の男性が普通の時計からきんぴか龍のようなデザインの時計にはめ替えてました。その様子を思わずじっと見ていたら、「日本ではこの時計は受けないからね」と。
その方に「どうして香港に行くの?」と聞かれ「就職したんです」と答えました。「ビジネスクラスをアレンジしてくれるなら良い会社なんじゃない」と言われアップグレードだとは言えず時間が過ぎていきました。
3時間ちょっとでその辺のビルすれすれにあるカイタック空港だった香港に到着。もあっと暖かくてレギンスが暑く感じました。空港トイレのトイレットペーパーがピンク色だったことを今でも覚えています。
お隣席だった香港人がちゃちゃっとタクシー乗り場以外でタクシーを拾ってくれて、タクシー代にと香港ドル現金も貸してくれました。その日の夜、トンロー湾の宿泊ホテルから見たビクトリア湾の夜景はかなりキレイでしたが、多くの人にカオルーン側から見る方がいいのよ、と言われました。海景の部屋だったので思えば部屋もアップグレードだったのかもしれません。そこからアッという間の19年、香港で働きました。
海を埋め立てて新しい空港が、ディズニーランドが、3色分くらいしかなかった地下鉄路線図がかなりカラフルになったりと香港はどんどん進化していきました。友人のほとんどがその間に会った人たちで、人生濃度が200%アップな香港生活でした。今もたまに懐かしく思い出し、思い出したならすぐ飛んでいける香港。次行くのはいつかな。
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