帰り道、目に激痛。旅行は変わらぬ毎日がある幸せを気付かせてくれる

大学時代に家族で旅行に行った時のこと。私たちは山口県にある元乃隅神社を訪れた。青い海をバックにずらりと並ぶ赤い鳥居が映え、その景色に思わず目を奪われる。
その美しさと非日常の体験に心洗われた。その帰り道、私はなんとなく目に違和感があったものの、旅行の疲れもあり、あまり気に留めずにいた。しかし、家に到着し、コンタクトレンズを外した途端、目に激痛が走った。あまりの痛さに目を開けられず、やっとの思いで目を開けると、なんとコンタクトレンズの一部が目の中に残っているではないか。
私は急いで家族と共に夜間外来へ駆け込んだ。そして、診察を受けると、コンタクトレンズは目には残っていなかった。目に炎症が起こっていたせいで、そのように見えたのだ。おそらく昼間に浴びた波しぶきが原因と思われる。私は病院の帰り道、胸を撫で下ろした。原因がわかって安心したのだ。
と同時にやっと無事に今回の旅行が終わったなとしみじみと感じた。無事に帰るまでが旅行。感動のもと、感動の先にあるのは、いつもの何気ない毎日というありがたみ。それをそっと気付かせてくれる、そんな旅であった。
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