自分についての質問に泣きそうになった。今なら理由を言語化できる

わたしは大学時代、同じ学部のほとんど8割くらいが取得できる資格を活かして進む進路があるにも関わらず、わたしはその道から外れて就職をしようとしていたため、キャリアセンターに相談しに行った。
キャリアセンターの職員さんは、話しやすいおばさんが担当してくださった。
確か、やりたいことや自己分析も兼ねて話しながら、進路相談をしてくれたのだったと思う。しかし、具体的な質問内容は忘れたが、自分自身について聞かれた質問に答えるときに声が震えてきて涙目になった。危うく涙がこぼれそうになったが、なんとか耐えた。
なんだか責められている気持ちがしたのかもしれない。絶対、目が赤くなって充血していたのか、その職員さんに「大丈夫?」と聞かれたとき、余計に泣きそうになったが「目にゴミが入って……。」と誤魔化せていないだろうが、咄嗟に誤魔化した。この一件からキャリアセンターには行きづらかったし、突然、涙目になってしまった経験が衝撃的だった。
わたしは自分自身が周りの人たちより繊細だということに、この出来事の少し後に気が付いた。きっかけは『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』を読んで、当てはまることがいくつもあり、もしかしたらHSP (ハイリー・センシティブ・パーソンの略で、生まれつき非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人のこと)かもしれないと思うようになったからだ。
意識し始めると観たくもない悲しいニュースのテレビが漫然とついていることが嫌だったり、誰かが怒られていると自分が怒られているように感じてしまったり、大きな音や強い光やキツイ香水の匂いが苦手だったりする自分自身の特性に気付き、少し繊細なのかもしれないと、もやもやしていた疑念が確信に変わった。
原因がわかってからは、どうしたら苦痛を感じずに生活ができるかを、自分なりに色々調べてみて、対処法も少しずつわかってきて、今まで漠然としていた不安な気持ちが、少しとらえどころのあるものに変化した。
完全な解決までには至らなくても、気持ちが楽になって生きやすくなり、自分自身の繊細な長所を活かすことができるようになった。一人暮らしをしたことも自分自身で部屋の明るさをコントロールでき、マイペースに物事を進めやすいので、良かったと思う。
人に会う予定が入っていない休日の前ほど、テンションが上がる。朝ごはんに入れたコーヒーの良い香りを匂うことも幸せだと感じる。
ついこの前、転職の面接をしたときに今までの挫折経験について聞かれた際、かなり胸が締め付けられる思いをしながら話したが、笑顔で明るく話す内容でもないし、暗く話しても良いだろうと、切り抜けることができ、大学時代よりも自分自身のことを理解でき成長したと実感できた。
HSPの気質がある人は、他人に寄り添うことを得意とするが、時々自分の心にも耳を傾けて優しくすることも必要だと思った。
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