休職をしたいと思うようになってからもう半年以上が経った。

決断ができないなんてなんだか負けた気がしながらも、仕事に気乗りしないまま会社へと向かっている。

みな「仕事に行きたくないのは普通だ」というが、這うように毎日出社し、絶望感に打ちひしがれながら、業務を倍以上の遅さで進めるのが普通と言えるのだろうか。

新卒入社で1社目だし、社会人になってからまだ数年しか経っていない私には、何が「普通」なのかよくわからない。

◎          ◎

休職を思いとどまった理由はひとえにお金だ。休職してしまえばお金が通常と同じ額は入ってこなくなる。それは今の私には困る。

「なんだかんだ体が動いているなら出社するか」。 気持ちとしてはそんな感じで、休職を諦めた。

思えば入社当初から不運続きだった。

同僚との不和に始まり、プライベートでの問題が業務にまで影響。金銭に困り出したり、上司と揉めたり、仕事内容が合わなかったり。友人に相談をもちかけてしまったからか、プライベートもなかなか思い通りにいかなくなり気分は最悪だ。

それでも休職も転職もせずに続けているのは、もしかしたらいつか楽しくなるかもしれないという淡い期待からだ。

苦労して掴んだ夢の職業。簡単に手放したくはないし、諦めたくもない。少しでも期間が空くとおいてかれる業界。休みたくなんてない。それに微かでもいいから希望があれば、体は動くし仕事ができる。

◎          ◎

最近、どうしてこんなにもやる気がおきないのか、仕事に行くのが辛くて仕方がないのかについて考えていた。おそらく、親しくしたいと思える年齢の近い同僚がいないからだ。休憩の合間、食事の時間、本当にたわいもない季節の挨拶を交わしたいという人がいない。年齢層が全体的に高いのはもちろん、そういう部署に配属されてしまったという不運も重なった。女性も少ない。私を直接評価してくれる人ともうまくいってはいない。医者の言葉を盾に、私の本当のパフォーマンスをみてくれていない。だからやりたいことがあっても全部ストップがかかる。上部だけは私のことを見ているふりして、八方美人なだけだって、私はすでに気がついている。体調悪いのに「よくなってきました」と言ったら「そう思ってたよ」だなんて言われる始末だ。

そうこうしているうちに、心は疲弊し、正直今では誰も信用することができなくなってしまった。

◎          ◎

「〇〇さんが、去年よりパフォーマンスが落ちてるって言ってたよ」と言われたが、それはあなたが思ったことでしょ?人の言葉を使って言わないでよ、と心の中で思った。

「今の仕事向いてないんじゃないか」と言われた時もあったが、それは業務内容があっていないだけだよ、と(それに、そう私を擁護してくれる人も僅かながらいる)。

職場の人に色々頼まれたから休みの日などに応じていたら、「あの子仕事してますかね?」なんて言われていたこともあった。本当に腹立たしいばかりだ。

極め付きは、親からの「その会社にしなきゃよかったのに。そうしたらお金稼げたのに」という言葉。当時私は内定を得た2社で迷っていた。親に相談した時は何も言ってくれなかった。私が決めたあとに、そんな言葉を投げかけられたのだ。後出しだなんてずるい。でもその言葉が呪いになりもう何年も苦しんでいる。そのことを友人に相談しても、友人が離れていってしまった。おそらく私が病みすぎていたせいだろう。結局全て親のせい。それもなんだか受け入れ難い事実だ。

今でも休職したくてたまらない。休職するという選択が毎日頭をよぎっている。それでもお金がないというのと、微かに残る未来への希望のせいで、私はいまだに休職できないまま、毎日心の悲鳴を職場で聞いている。