紆余曲折を経て3年付き合い振られた恋愛に、意味と意義を見出したい

大人気漫画「花より男子」を小学校4年生のときに読み始めてから、私は高校生になったらあんな風にきらきらした恋愛を楽しめるものだと思っていた。
中学に入学すると浮ついた噂が急に増えた。やれ誰と誰が付き合っているのだの、誰々が最近彼女と別れたのだの。一緒に下校する友達さえいなかった当時の私にとって、恋愛とか彼氏なんて夢のまた夢だった。
やがて少女漫画の主人公とは対極なJKとなった私は、自分のことはさておき人の恋バナに首を突っ込むようになる。どういうわけか、恋愛経験ゼロの私に恋愛相談をしてくる友達がいるのだった。いったい私に何を求めていたのだろうか。
そしてもっと不思議なことに、こんな私にも春が訪れる。相手は当時学年トップの成績で、ガリ勉そうだが運動神経も抜群。謙虚で勤勉なところに惹かれた私は徐々に彼のことを意識するようになっていった。
しかし、ここから紆余曲折がある。打ち解けてから付き合うまでになんと2年もかかった。
一歩踏み出す勇気がなさ過ぎて、私は友達以上恋人未満の関係を続けることを決め込んだ。そんな私の気持ちを知らない元恋人は私の気持ちが離れてしまったと思い、私以外の女子に告白し玉砕。
その子から後始末を頼まれた私は「好きな人は私を好きではない」というショックと、「彼氏がいる子に告白するなんて信じられない!この馬鹿!」という怒りと、「なんでこんな馬鹿を私は好きなんだ」という自己嫌悪感を抱えていた。
幸い私はうまく立ち回れたようで、玉砕した彼も告白されてしまった子も立ち直ったようだった。私はというと、一度はこの男のことを心底軽蔑し大っ嫌いになった。しかし、どういうわけか彼のことがまた好きになったのだ。
さて、2年もかかって、しかもちょっと傷ついて、私たちはようやく付き合うこととなった。この時すでに高校3年生の受験真っ盛りでデートなんてできやしない。かろうじて双方第一志望に合格したものの遠距離恋愛となったことで徐々に溝が生まれ、1年ほどで別れてしまった(詳しくは以前投稿した別のエッセイにて)。
別れたことで、私はこの恋愛に果たして何の意味があったのかを考えるようになった。別に何かを失ったわけではないし、元彼との3年間が別の出会いを邪魔していたなんてことはない。それでも、元彼に振られて連絡を一切絶たれて友達関係にすら戻れなくなった。何か意味を見出したかった。
私がこの経験に見出した意義は、自分の傾向を知ることだった。そして、以下のポイントを見つけた。
① ツンデレ
周囲に人がいるとどう振る舞っていいのかわからず友達より遠い距離感になる。元彼にも「ネキちゃんって意外とツンデレだよね……」と言われた。寂しかったらしい。
② 好みのタイプは頼れるお兄さんみたいな人なのに、好かれるのはちょっと頼りなさがある人
頼られるのが嬉しくて満更でもなくなってしまうのだが、これだと自分が辛い時に寄りかかれる人がいないと知った。自分の感情に流されすぎないように自律が必要。
③ 自分から動かないと本当に何も起きない
私と元彼が付き合えたのは元彼がトラブルを起こしてくれたおかげだった。いいことでも悪いことでも何か刺激が入らないと何も進展しない。
④ 恋愛はいいことだけじゃない
ある意味これが1番重要かもしれない。誰かにとっての1番となって、一途な想いを受けることは本当に幸せなことだった。けれども、その分失った時のダメージは大きい。
短い時間ではあったが私の生活に彩りを与えてくれて、重要なことに気づかせてくれた元彼には感謝している。これを糧に新たな恋に踏み出したい。
ちなみに、元日に引いたおみくじは大吉だった。恋愛のところには「辛いことがあっても真心が通じ合い成立する」と書かれていた。
この神社は縁結びのパワースポットとして名高いので当たりそうな気がする。もしかして、次の恋もまたトラブルから始まるのか……。
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