その日は普段はかないような短いスカートをはいていったおかげなのか。
れでいふぁあすとという素敵な外国の待遇を受けて、今までこんなことされていないからびっくりしました。
1つ上の先輩とデートをした3月の夜に私、「女の子」になったと思います。
LINEの返事を眺めて次はいつ返信くるのかな~なんて考えて、今はやりの恋の歌なんて聴いて「高校生みたいだね」って笑う悪魔の声も聞こえませんでした。
でも、私は、「女の子」扱いを今までされてなかったものですから
先輩の仕草1つ1つに「すみません」がこぼれてしまったのです。
こんな私って、かわいくないのかなあ。
結局先輩とはうまくいかなくてお別れしてしまいました。
悲しみよりも先に解放された感覚が走ったことを、今でも覚えています。
先輩は私の背中に乗ってたのかなあ。不思議だ。
ぜえったい仕事もして世のため人のために貢献したい
そんな小さな秘密も大人数で言わないことがプライドの見せ所です。
大学のランチタイムは、みーんな彼氏の話をして、仕事を何年目で辞めたいだとかで盛り上がっています。
なるほど。
私は、20歳を過ぎると、「結婚」は仕事から逃げる手段になり得ることも知りました。
女の人の生き方はたくさんあるんだなあ。なんて脳天気なこと考えながら
やっぱりやめられない食後のプリンに手をのばしました。
私は女の子だけど、ぜえったい仕事もして世のため人のために貢献したいって思ってるのになあ。
たくさんの女の子の像に翻弄され、ランチ女子会は幕を閉じます。
女の子の特権を使って自分を好きになりたい
地元の喫茶店でお母さんに
「あんた、その先輩に女の子扱いされたくてつきあったんとちゃうやろ」と、ほほえまれたので、やっぱりこの人は、私のおかあさんやなって小さな涙がでました。
母子2人で18年間も過ごしてきたのですから、彼女は私の悪魔と天使のことも知っています。
髪の毛を巻くのも、メイクをするのも、かわいい洋服を着るのも、全部楽しい。
でもそれは、男の人に「女の子」扱いをされるためにしているのではなくて、私自身を好きになるため。だって私のこんな素敵な翼が男の人のためにあるのなら、「なんて私は弱い生き物なのだ」と、お母さんが泣いてしまうから。
しゅふの変換で一発で「主夫」になることはたぶんない。でも
正直、女の子が子宮を持つ限り、骨格筋が発達しない限り、
女の子を取り巻くお仕事のこと、男の子のほうが怒ったらなんか怖いことがゼロになるなんてありえないし、しゅふの変換で主夫は主婦より先に出ないのかもしれないと思います。5年後もたぶん。
じゃあ、5年後の社会生きづらいのかな。なんて思いたくない。
社会が変わることを待っているより、お先に変わった私達が社会を待つってかっこよくない?
私は女の子・男の子としてじゃなく、
「人として輝く私」を追い求めること。これをすごくすごく大事だと思っていて。
そして、そんな時私は自分をたくさん愛せるような気がします。
もしかしたらおしゃれはそのうちの1つなのかな。
どこかの偉い人も、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と残しています。
私はこの偉い人を知らずに生きてきた訳ですが、はじめて知ったとき、「腑に落ちる」感覚は今までにないものでした。素敵な答え合わせだったと思います。
どうか、5年後の女の子たち、だれのためでもなくあなた自身のために、自分を磨き自分を愛してあげてください。
きっと、案外、世界は鮮やかだ。と気づくと思うな。
私の理想に近い思いが、綺麗事で一蹴されない社会を願って終わりとします。
ペンネーム:嬉しいセロリ
三重の大学生
すてきな人達に囲まれて、毎日楽しく過ごしています。
10月11日は国際ガールズ・デー エッセイ募集中
「女の子らしく」「女の子なんだから」……小さな頃から女性が受けてきたさまざまな社会的制約。ジェンダーに関わらず、生きやすい社会を実現していこうと、「かがみよかがみ」では、10月11日の国際ガールズ・デーにあわせ、「#5年後の女の子たちへ」をテーマとしたエッセイを募集しています。ステキなエッセイを書いてくださった方は、フェミニズムの第一人者である上野千鶴子・東大名誉教授にインタビューする企画(10月中旬、都内で開催予定)に参加することができます。この企画に参加希望の方のエッセイ締め切りは10月6日までです。