大学に入学するまで、私は自分のことをブスと思ったことがありませんでした。
今思えば、なんて幸せだったのか。なんて周りに恵まれていたのか。

私は、辛い受験期を終え、念願の大学生になりました。そして、その時に入ったサークルで「ブスいじり」をされるようになります。きっかけは忘れちゃいました。でも何かの会話をしてると必ずと言っていいほど「お前ブスだからな〜」といじられるようになっていました。正直細かい会話や情景は覚えていないんです。あまりにも辛くて私の人生を変えてしまった出来事だったので私は自分を守るためにそのことを忘れたのだと思います。ただ、どんな会話であろうと必ず最後は私のブスいじりで落ち着いていたように記憶しています。

そこで初めて「私はブスなんだ」と自覚するようになりました。

毎日が辛くて、蒙古襞のある芋くさい一重の目、大きく広がる鼻、モコモコした顔、ゴツい骨格、髪質まで全てを憎むようになりました。それまで20年生きてきて一度も思ったことなかったのに不思議ですよね。

鏡を見るのも嫌になりました。朝起きるのも嫌になりました。人と話すことも嫌になりました。外に出られなくなりました。

整形は魔法じゃない

そして、私は、大学2年の時に整形をしました。
お金もかかる、どうなるかもわからない、私にとって人生一番と言える決断でした。実際には、二重切開、鼻翼縮小、鼻尖修正をやりました。これは自分の顔を死にたくなるくらい見つめて、何日も何時間も整形の口コミやレポートで情報を集めて、自分でした決断です。

口コミやビフォーアフターを見て分かったことは、整形は魔法じゃないということ。ごく僅かな変化しか望めない、または、盛大に失敗することがあるかもということです。でも、こんな顔のまま生きていくくらいなら、お金も痛みもリスクもどうだっていいと思いました。いくつかのカウンセリングを周り、私は一つの病院で顔全ての整形をしました。ちなみに、家族にも友達にも誰にも言っていません。たった1人でした決断でした。整形の前日はとてつもない恐怖と不安に襲われ、ほとんど寝れなかったのは今でも記憶にあります。

大学3年の頃には、10キロほどのダイエットもしたこともあり、多分可愛くなりました。学食で話している時に「ミスコンにでてくれませんか?」と言われたこともあります。
大学内や学外で可愛いと言われることが増えて、周りの人の反応にも変化があったのを身に染みて感じました。これらはみんな整形をしてから知り合った人の反応です。
実は、ブスいじりをされてからサークルに顔を出すことも少なくなっていたので、整形以前の私を深く知る人と話すことはほぼありませんでした。でも、サークル内では、「アイツ整形したらしい」との噂があったみたいです。笑
また、母には「え、なんか顔やった?」って言われちゃいました笑。

私はいま、社会人1年目です。
今は、人と話せるし、仕事もできています。可愛くなろうと努力する自分が好きです。

一度言われた「ブス」は何十回可愛いと言われようが消えない

でも、本当は、他人からの評価を当てにしたくないし、気にしたくないです。
まだ私は、他人の評価ばかり気にしています。それは、実際にこの世界は「人を容姿で判断する」人がとても多いからです。皆さんの中でも、テレビを見ているときに「この女優さん可愛いね」とか「この俳優さんあんまりカッコよくないね」とかお話しするときってありませんか?芸能人だけでなく、ただ街頭インタビューされてるだけの一般人に対しても容姿の評価を行なってしまう時ってありませんか?私は、してしまいます。このことが良いことであるとは言えませんし、かといって悪であるとも思いません。人は、人を判断するときにその人の外見を判断基準の一つにしてしまうんだと思います。誰も頼んでいないのに勝手に人の容姿を採点して、その人の価値を決めてしまう。意識してなくてもそういう風潮は日本の中に、YouTubeのコメント欄でもテレビの中でも学校でも会社でも存在していると私は思います。

私の人生を大きく変えてしまったのは、大学の時の「ブスいじり」でした。
他人の言葉って呪いみたいです。
いつかこの小さい世界から抜け出したい。
自由に自分を愛したい。
いつかこの呪いから自分を解放してあげたい、そう思う日々です。一度言われた「ブス」は何十回可愛いと言われようが消えてくれません。

結局他人の身勝手な評価に依存してしまってるから、私はいつまでもこの呪いを解くことができないんです。(そして私自身も人を身勝手に評価してしまっています)この呪いの解き方は、はっきりとはわかりません。
でも、私は整形をして努力をして自分を好きになりました。少しは自分を愛せるようになりました。自分のコンプレックスと1人で戦い、克服した強さこそが私の自信です。ブスと言われれば、また傷ついちゃいます。でも「私こんなに頑張ってきたんだよ、私、偉いよ。前よりは可愛くなったよ」という自信が殺されることはないのです。きっとここに呪いを解くヒントがあるのだと思います。

ペンネーム:ふらいどぽてと

ポテトめっちゃ好きです。
大学時代にブスいじりをされて、整形を決意。後悔はしてません。
でも自分の価値観で自分を愛してあげたい。