色んな男性とお付き合いして。
何人かの男性からの申し出も、お断りして。
今の自分は比較的、好きだ。
モテ女みたいだが、私は陰キャだった。
小5で転校し、足遅くて、ずば抜けた才能があるわけでもないので、陰キャロード突入。
自分らしく過ごす権利を10歳で失った。
中学では、両親に運動部に無理やり入れられ、いじめられ、退部した。
もともとやりたかった演劇部に入れたけど、そこも友達が出来なかった。
親に流され、周りに流され。最悪の10代前半だった。
高校ではバトン部に入り、イベントごとで髪を染めたり派手なメイクをしたり、ディズニーにおそろコーデで行ったり、まあまあ遊んだ。
だが、色恋沙汰の話が溢れる中、陰キャな私には遠い世界だった。
やはり陰キャ系オーラは依然として健全。
大学入試は、陰キャ認定で壊された高いプライドを修復するために高学歴を得るべく、全てを捨てて挑んだ。
結果、第二志望の陰おしゃれでキラキラしたイメージをまとう、ブランド力もある大学へ。
さて、そろそろ彼氏がほしい。
初めて出来た彼が、「彼氏」というものを教えてくれた
初めての彼との出会いは割愛する。
9か月お付き合いした頃、二人の環境が変わり、別れた。
落ち込んだけど、彼氏とはどういう存在か、男性とはどういうものか、学んだ。
彼氏って、私が思っている以上に、私のことが好きだった。好みの服装をしたり、メイクを頑張るとすぐ気づいて、大げさなほど褒めてくれる。
男性は優しい。頼れるし、そうされることを望む。
だからきっと私の好きなデートをしてくれたし、私の調子の悪さに敏感になってくれて、内緒にしていた悩みを引っ張り出してくれる。
でも、陰キャ癖が抜けきれず、一歩引いて本当の自分でいられず、服装も発する言葉も、彼が喜びそうなものが基準。
息苦しかった9か月だった。
次の人は、素の私でいられるように心がけよう。
そして私のやることを理解してくれる人がいいな。
理想の彼氏、とやらを考える必要性を感じた。
誰も私の50mのタイムを聞いてこないし、高校の部活しか言う機会がない。
私も選んでいいのだ。
ノリが合わず、別れを切り出して知る、初めての苦い思い
半年後、高校の同級生と急接近。
彼はド真面目で、高校時代は野球部だったけど決して目立ってはいないタイプだった。
彼女がいたこともないようだ。
でも、私のやっている活動を楽しそうに聞いてくれて、服にも興味がないようで、どんな服でもメイクでも許されそうだった。
問題は、ニキビ面の彼の顔がどうしても好きになれなかったこと、デートをしても、欲がないようで、ノリも悪くて楽しくなかったこと。
タピオカに並んだのに彼は何も頼まなかったのには衝撃を受けた。
クリスマス前日に告白され、もやもやしたままスタートした。
当時、バイトもインターンも海外と関わる学生団体も、そして友達とのご飯も手を抜けなかった。彼が、私の“完璧な女子大生”の重荷になってしまっていった。
春休みのディズニーの約束が怖くなって、“自分のことに集中したい”という理由で別れを切り出した。
ところが、である。
しかし彼は、“自分も忙しくなるし、別に良いんだよ、そのまんまで”。
うああああああ。
違うんだよ、ごめんなさい。そうじゃないの。
今度は電話して、“やっぱりごめん、付き合い続けるのは難しい”と伝え。
彼は、“元気で、頑張って”って。
本当に苦い。
ホワイトデーを渡してから、って決めていた、自己中で最低女な私。
無印で無難なノートやペン、便利そうな文房具を組み合わせて渡した。
それをすごく喜んでくれた矢先に突き落とすなんて。
あんなに綺麗な心をもった人を悲しませるなんて、つらい思いをさせるなんて。
好きな人と前向きにお付き合いしないと、二人とも不幸になる。
選び、選ばれる女の子になろう。
楽しく過ごしたい。幸せになりたい。
恋愛は楽しむもの、って、気が付いた。
自分と、相手がいての幸せがある。
自分を安売りするのをやめた。
「合う」人ってどんな人?デートを重ねて模索していく中で
楽しいおしゃべりが好き、あざとい言動が大嫌いな私を好きになってほしい、相手の素を知りたいと思ってからは、デートは気楽になった。
デートしている、モテている、という状況が陰キャの傷を癒していた。
デートしてお付き合いはお断りして、を4セットほど繰り返して出会った、“最後の元彼”。
彼が大好きだった。楽しかった。
でも何かが合わなかった。
次第に返信がなくなり、LINEでフラれた。
友達止まりがちょうどいい人って、本当にいるんだな。
仲が良い=彼氏候補認定してはいけない。
でも、自分を安売りしないで、自分で選ぶって大事ってことを実証できた。
恋愛に限らず、就活も、友達も、そして、自分自身を見る目も。
しょうがなかったんだな、って思ってる。失敗だと思わない別れだった。
ありのままの私でいられる人と出会って、自分を好きになれた
そして今の彼氏。
また出会いは割愛するが、偶然に偶然が重なり、出会ってしまった。
一生懸命さとまっすぐさに惹かれていたものの、元陰キャな私は高嶺の花男クンだと思っていた。
彼女になれなくても、友達でいたかった私は、特大バーゲンで自分を売り出さず、ありのままで接した。
そして、色々あったのち、お付き合いすることになった。
興味分野が同じ、流行りもまあまあ敏感、顔もタイプだし。
PMSで生理前アラートをしなきゃいけないし、LINEの頻度は高くなきゃいけないし、完璧主義な私でいられているし、そういさせてもらえるように、お願いできる。
陰キャにも、恋愛の権利はある。そして、好きな自分と居心地のいい環境を選んでもいい。
ちなみに彼は、陰キャの私とは対照的な位置にいた人なんだよ。
体重も食欲も増加しているけれど、“わたし”という個性をしっかり持って、陰キャも陽キャも関係なく“その人”を見れるようになった。
クラスの中で相対的に比較し、びくびくしていた頃とは大違い。
自分は自分でいること。相性はあるものの、自分の環境は自分で選ぶこと。
恋愛を通じて、誰とも比べない自分を好きになった。
私は、そうやって自分を磨いてきた。