学生時代の私の三大コンプレックスについて
半袖と聞くと、学生時代に抱えていた3大コンプレックスを思い出す。
それは『K・K・F』だ。黒い、毛深い、太っている。これらを半袖で隠すことは難しい。
誰に何をツッコまれたわけでもないが、自身の中ではものすごく気にしていた。
【K】特別外遊びが好きだったわけでもなく、むしろ、独り頭の中でストーリーを構築しながら室内人形遊びをするほうが好きだったのに…!!普段の体育の授業や比較的長丁場となる運動会の練習など、陽を浴びる機会があると「赤く火照る」を通り越してすぐさま「小麦肌」の出来上がり。日焼けしやすいタイプであることは確かであった。今でも当時の写真を見ると、「うげーーーっ!」と自身の心の声(ブーイング)が聞こえてくる気がする。
【K】母親曰く、私が誕生し、その赤子姿を見たとき。思わずあの安土桃山時代の大盗として知られる「石川五右衛門だぁ!!!」となったらしい。リーゼントヘア並の髪の毛量や凛々しくつながりそうな眉毛には、感動すら覚えたという。ちなみに、父親は天パイケイケボンバーヘアに髭ヅラのロッカー。母親は力強く太い眉毛がトレードマークの剛毛ピュアガール。世間で色素薄い系女子なんかが流行ったときには消えたかったぜ。へへッ!
【F】さらに困ったことに、我が家の教育方針は「とにかくお食べ」であった。
戦争経験者の祖父母との同居。戦争の最中やその直後には「好きなものを好きなだけ食べる」が叶わなかった2人だから。米農家だから。野菜も育てているから。お菓子やパン、アイスまで販売する小売業も頑張ってきたから。「好きなだけお食べ」その心の底から出た孫への思いやりコトバに、私は素直に「うん!」と。ただただ、心ぽかぽかハピネスだった。また、両親も同じく「子どもたちには好きなだけ食べさせてやりたい」の考え。そりゃあ小学校の身体測定のあと、何度か『肥満のお手紙』が学校(保健室の先生)から届くわけだよな。
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幼き頃のコンプレックス三拍子。
今、その答え合わせをしよう。
Q.あなたはまだ色黒な肌を気にしていますか?毛深さや体型についても悩んでいますか?
A.いいえ。成人して、気づいたらアラサーになって。体育の授業に当事者として参加する年齢でもなくなったので(笑)加えて、好きなアイドルのライブ映像を鑑賞するなど、室内で済む趣味ばかりを堪能しているため、現在小麦肌になることはほぼなくなりました。むしろ、ちょっと白い。まぁ、おもちちゃんと呼ばれる真っ白い肌がチャームポイントの友人の横に並べば、少しは気になるかもしれないけれど。いや、もう大丈夫。もう私、気にしていないよ!ということで、『K』ひとつ消滅。
次に、毛深さについても言及する。学生時代は周囲の友人が「剃毛は面倒臭いから1.2週間に1回程度かな」や「あまり生えてこないからそもそも剃らない、たまに抜くくらい」などと言っているのを聞いて驚愕。だって、剃刀の説明書には『肌保護の観点から○日間程度は使用間隔を空けるように』などと書いてあったが、私はそんなの無視して毎日のように使っていたから。毎日剃らないと間に合わなかったから。でも、今は大丈夫。社会人になってブラジリアンワックス脱毛もエステ脱毛も医療脱毛も、もうハシゴしてハシゴして、それでも生えてくるけれど、「これくらいの毛量ならば可愛がれる(飼育可能)かも♪」との着地にはなったから。とにかく、自己満足の世界。毛深い人生は堪能したから、せっかくならばツルスベ肌の人生も今世において歩ませて。はい、これで2つ目の『K』も攻略、爆破。
ラストは『F』だ。太っている件について。
結論から言うと、今も頬や腕、お腹、太ももなんかにはノーマルにお肉がついている。けれど、学生時代よりは自身の体型、愛着あり。それは、部活や習い事などを通して苦手ながらも「シェイプアップ」にトライしてみたから。不摂生もやめて、3食規則正しく食べようとする健康意識の変化もあったから。もちろん、ストレスを感じると満腹中枢に不具合が生じて甘いものを食べ過ぎてしまうこともあるけれど、それでも無邪気に食べつづけるだけの私はどこかへ飛んでいった!そういった自己判断(ときに自己制御)ができるようになって、それが自信となって。太っているか・太っていないかで我が身を見定めることはなくなっちゃった。身体が軽い。心も軽い。朝はラジオ体操もしちゃう。私はもう、大丈夫。だから『F』さん、あばよ!!
コンプレックスを抱えていた過去のことはすっかり忘れた
自身から自身の悩める乙女心へと、「肯定の印」をポンっと。直々に押してあげられさえすれば、その「闇」からは脱出できるって知った。
2020夏。『K・K・F』なんて過去のことはすっかりと忘れて。この肌と体型にぴったりな半袖を自らの手でチョイスし、近ごろオフラインで会えていなかった仲良しの「おもちちゃん」とまたご飯でも食べに行きたいな。