はじめに。
わたしは「自粛期間早く開けろ」という陽キャが苦手なので、そういう人は絶対に読まないでください。

引きこもりのわたしにとって、この自粛ムードはとても有り難かった。
みんな同じ条件下で、外に出れなくて。
「やったあ、人と合わなくて済む」とも思った。

でも、大学生だから単位を取らなきゃいけない。
わたしは、家からオンラインで授業を受けなきゃいけないことの負担が凄かった。
「そんなんだったら、休学してやる」って思った。

ボタンを押すだけで、誰かとつながってしまう世界の速さが憎い

わたしは、普通のことができない。
できても、時間がかかる。

オンラインは、本当に苦手だ。
別に機械に弱いわけじゃない。
機械は人並みか強い方だと思う。

しかし、リンクを押すだけで、誰かとつながってしまうこの世界の速さが憎い。
さらに、当たり前のように画面の向こう側でニコニコ座っている人間も嫌いだ。

人と繋がりたくないのに、だからLINEもミュートにしているのに、なんで今さら、わたしの世界に入ってくるの?
たいして理解しようともしないで、勝手にずけずけ人の心に入ってきて、やれ仕事だのやれ就活だの、知ったような顔して喋んなよ。
自分の当たり前を他の人にも当たり前と、さりげなく押し付けないで欲しい。

相手の一言で考えすぎてしまって、電話ができなくなっていた…

自分って面倒くさいなって思う。
振り回してごめんねって、いつも思う。
気分屋で言葉にトゲがあって、人見知りで人に対して全然心を開かないから、嫌われて当然だと思う。
だからこそ、見守ってくれる存在にありがとうって思う。

自分が何かやらかした時に、謝るべき手段は電話だと誰かに教わった。
自分の声色と誠意、そして、なる早のタイミングだと。
論理は分かる。本当に、その通りだと思う。

しかし、わたしは電話ができない。
いつからか、電話ができなくなった。
敏感な体質で、声色や空気、タイミングとか、相手の一言でたくさん考えてしまう。
だから、秒単位でのレスポンスは得意じゃないし、高校は居心地のいい友達を見つけるまで基本黙っていた。

今回も「電話で近況を教えてください」とか「最近どうですか?」という類の質問があって「ごめん無理、話したくない」って思った。
別にその人のことを嫌いなわけじゃなくて、ただわたしが話す気になれなかったとか、話したらどう思われるかと考えるのも億劫でやめてしまったというだけだから、わたしのYESかNOかの選択でしかないんだけど、結構これが厄介だ。
「簡単なことでしょう、何か困ることでもあるんですか」と、子供を見るような目でわたしを見るのも、何か答えるまで無言の圧をかけてくるのもやめて欲しい。

人が嫌いなのに、人に会えないと壊れそうな自分が可笑しかった

わたしは至って健康で、自分の意思があるから、むしろ偉いんじゃないかな。
最近は、ようやくそんな風に思えるようになった。
聞いてくれる人にだけ、話せればいいということに気がついた。

だから、わたしはぬいぐるみを抱きしめた。
コロナがなかったら、大好きな人にくっついているだけで、言葉にもできないどうしようもない気持ちと動物的な温かさが混ざって、安心するんだけど。それで、訥々とだけど言葉にできる。
人が嫌いなのに、人に会えないと壊れそうな自分が可笑しくて、ちょっと笑えた。

この自粛期間は、本当に連絡手段を絶った。
「こんな世界なら、嫌われたままがいい」そう思ってたけど…もうちょっと、生きてみようかな。