今回もたくさんのご応募ありがとうございました!

4月1日のエイプリルフールに合わせて募集した今回のテーマ。
比較的、馬鹿正直に生きている私は、こうやってウソをついて日常をやり過ごしているのか…!と思うようなエッセイもありました。と同時に、もしかしたら相手に気を遣わせて、ウソをつかせてしまったことあるかも…とちょっと反省したエッセイも。
ウソをついた側、つかれた側、いろいろな立場のエッセイがあり、どれも興味深いものばかりでした。


では、さっそくかがみすと賞1本と編集部選3本を発表していきましょう!

各タイトルをクリックすると、それぞれの記事に飛べますのでぜひ読んでみてくださいね。

かがみすと賞

◆「結婚記念日はお母さんの誕生日」それは私を守るための嘘だった(ポリポリ・ムーン)

幼い頃、お父さんとお母さんにした質問の答えはウソだった、というお話。
互いを思いやる親子の心が切なくて、胸がぎゅっと締め付けられました。

正直に言うと、これらが嘘だったんだって気づいたときは悲しかったよ。
こどもだからって何で嘘ついたり誤魔化したりするの?って。
でも大人になってわかったよ。

ウソをつかれることは悲しい。でも、相手を思いやるからこその必要なウソというのもあるんだなと、しみじみと思いました。

嘘をついてくれてありがとう。

最後のこの一文に、ポリポリ・ムーンさんの思いが詰まっていて、心が暖かくなります。
ぜひ全文読んでみてくださいね!

編集部選

今回も編集部選として、3本、ご紹介します!

◆浮気未遂という初の修羅場で姿を現し、私を苦しめた大きい嘘のいま(山逆)

恋人の家に行ったら女の子がいた!というなかなかの修羅場から始まる話ながら、テンポよい文体で、サクサク読めます。クスリと笑えるところもあり。

「恋人いるの?」に対する元恋人の「恋人いるような顔に見える?(笑)」という返答がリアルで刺さりました。

その一方で、このエッセイが書けるようになるまで、かなりの時間を要したんだろうな、ということが伝わってきて、本当にここまで立ち直れてよかった…!という気持ちにもなりました。

この時恋人につかれた絶妙な嘘、というか相手の女の子についていた嘘までまるっと含めると、恋人の存在を消したことに始まり、(中略)この嘘は私にとって超巨大な嘘で、年単位で苦しめられた。

元恋人がついていたウソは他にもたくさんあったそうですが、小さなウソの積み重ねって本当にきつい!
まさに“チリツモ”ですよね。(いや、チリ一つでもよくないんですけど)

最後の締め方も素敵で、読後感もすっきり。清々しく前向きな気持ちになれる、素敵なエッセイでした。

◆先生についた、たった一つの小さなウソ。それは大きな罪悪感になった(くろべえ)

なんてことない小さなウソ。でも、何とも言えない罪悪感が残るウソ。そういうウソってあるある、と共感しながら読みました。

「ありがとう」という言葉を聞いて、こんなに悲しくなってしまったことはありません。先生の笑顔を見た時に感じた、あのモヤモヤは、今でも忘れられません。

ウソをついたときに言われる「ありがとう」ほど心苦しいものはないかもしれないですね…。今でもくろべえさんの胸の中でくすぶっている感情が伝わってきます。

だれにでもあるけど普段は自覚していない、心に刺さった小さなトゲ。自分にもこういうトゲがあったなと、読者に小さなさざなみを立てたのではないでしょうか。

全体を通して落ち着いた雰囲気のエッセイですが、自分の中の過去の感情に訴えかけてくるような文章でした。

◆私だって、かわいいケーキを選びたい。なりたい自分になるために(イマダコウ)

周りの期待に応えるために、本当の自分を押し殺してしまっていたというお話。小さいウソでまわりはみんな喜ぶけど、自分だけは傷つく、というのが切ないです。

イマダコウさんの場合は、「しっかり者」というイメージを崩さないために、本当に自分が欲しいかわいいケーキを選べなかった、という話ですが、その逆や、または全く別のイメージに苦しんでいる読者もいるのでは。

そんな私を肯定できるようになってきたのは最近のことである。ずっと周りからのイメージにがんじがらめになって、そのくせ世間一般のかくあるべき女性像に縛られて、じわじわとゆっくり苦しめられてきた。

最近は、かわいいものや甘いデザートが好きな自分を肯定できるようになったというイマダコウさん。周りの期待に応えるのは苦しいけど、自分を肯定するのも難しかったりしますよね…。
だからこそ、こうして「自分がどうありたいか」を見つめ、肯定できているのが素敵だなぁ思いました。

以上、「小さいウソ」のかがみすと賞&編集部選の発表でした!
たくさんの心に残るエッセイを、本当にありがとうございまいた。

現在は「私のたからもの」のテーマでも募集しています。
ご投稿、お待ちしております!