高校2年生を迎えた頃から、周りの大人たちからこんな言葉を言われ続けてきた。

『若いうちにいっぱい遊んどきな』
『あっという間に年取るよ』
『ちやほやされるのも今のうちだよ』

直接的な言葉ではないけれど知らず知らずのうちに
歳を取ることはあまりよくないこと、
"若い子に価値がある" そんな教育をされてきたように感じる。

私は歳を重ねることは素敵なことだと思っているし、ちやほやされることに喜びを感じない。

人生の助言ならもっと良いものがあるだろう、なぜこうした助言ばかりされるのか学生の頃から疑問を抱いていた。

幼い頃に植え付けられたトラウマが、男性への苦手意識を生んだ

小学生の頃、はじめてストーカーに遭った。
相手は中年の男性で挙動不審で目つきが怖くて、今でも時々顔を思い出す。

あの出来事から10年ほど経つのに、大人になった今でも夜1人で外を歩くことが怖い。

高校生の頃、はじめて痴漢にあった。
この時も相手は中年の男性で、いざ自分が痴漢に遭うとこんなに声を出せないものかと恐怖を感じたことを今でも覚えている。
感覚が染み付いてるようで今でも時々思い出す。

現在、数年前から気にかかる近所の男性がいる。
街で見掛ければずっとこちらを見てきて、私が前を通るまで待ち伏せしてきたり、わざわざUターンしてこっちに戻ってきたり、直接的に何かされたわけではないから誰にも言えない。遭遇しても、我慢するだけ。

幼い頃からこんな経験をしているものだから、気づいた頃には自分の中で勝手に男性への苦手意識が芽生えていて、異性からの視線が怖いと感じる時もあった。

初対面の相手から言われる"綺麗 かわいい 美人"という言葉、『本心で言っているのではなく自分はただ性的な目でしか見られていないのでは』と、年を重ねるにつれ相手を軽蔑してしまうようになっていた。

本当は、性別も年齢も関係なく、一人の人として大事にしたい

私に恋愛経験がないのも、あまり恋愛に積極的ではないのも過去のトラウマから来ているものなのかもしれない。

もちろん、男性全員がそういうわけではない。

初対面の相手やまだ知り合って日が浅い相手には異常なほど警戒してしまうけれど、すぐに親しくなれる時もごく稀にある。

みんな決まって、私を"女性"ではなく"1人の人間"としてみてくれて、普通に接してくれるおかげで私の中にある警戒心を解いてくれる。

私は人間関係を築いていく上で、性別や年齢などを取っ払い1人の人間として、どんな人も大事にしたいと思っている。

理想を言えば、過去に経験したトラウマを理由に、些細な言葉で『もしかしたら今自分は性的な目でみられているかも』と思い込んで異常なほど相手を警戒してしまうことは、もうやめたい。自分が疲れるだけだから。

むしろ、過去に執着せず更新していくべきことなんだと思っている。

黙っているだけなら簡単。でも私は、小さな声でも上げていきたい

若い子を狙ったセクハラやわいせつ事件があるたび、周りの大人と意見交換すると『昔は当たり前だった、この社会に生きてるんだから自分で頭使って動かないと』と大半の大人に言われる。

自分を変えていくべきなのか、社会を変えていくべきなのか。

きっと今ある社会にあわせて自分を変えて、黙っているだけの方が簡単だ。
そういう場に直面しても、自分で感情を紛らわせばいい。

だけど、大切な家族や友達が私と同じ思いをしたら?
私よりも酷い経験をしたらどうだろう。

圧倒的に女性への性被害は多いけれど男性を狙った事件も少なからずある。

自分自身のことや、周りに限らず、今を生きている1人の女性、または男性が性被害に遭っていたらきっと黙ってはいられない。

その中でも同世代や、私より若い子たちが"モノ"のように扱われ年齢によって価値があるかないかを勝手に決められてしまう世の中に怒りを覚え悔しさでいっぱいになる。

痴漢にあった時加害者を捕まえることができなかった。

自分はこうした被害を受けた経験があるということを今まで誰にも言えなかった。

きっと私と同じ思いをしてる人はたくさんいる。
SNSを使って大きく発言することは出来なくても、せめて私の周りだけでも意識が変わるよう自分の考えを更新していくと共に声を上げていきたい。