「永久就職」とは、結婚して専業主婦になることを指して使われることの多い言葉です。ひと昔前は、結婚して、子供を産んで、専業主婦になる生き方が女性の幸せという価値観でしたが、今はかなりリスキーな生き方では無いかと私は感じています。

私は勤めていた会社からコロナの影響により、休業を命じられ、三ヶ月ほど休業補償という手当で暮らしていました。収入は減り貯金も出来なくなりました。
この期間、私はいつ休業補償が止まってしまうのか、業績が回復する気配はないがいつ会社に戻れるのか、最悪、解雇になってしまうのではないかと、常に不安でした。
上司からは、解雇はしないと言われていたのですが、それでも、何が起こるか分からない世の中なので、突然解雇された人や、コロナの影響で閉店する人たちを見て、私も他人事ではないと常に思っていました。

予定通りに同棲を決意。休業補償もあるし大丈夫、そう思っていたけれど

そんな中、私は引っ越しをすることになりました。長年付き合っている彼氏と以前から同棲の話があったのです。以前よりも収入は減りましたが、引っ越した後も、休業補償で家賃や食費などを彼氏と折半できると判断し、私の休業期間が長引いても、彼氏の負担になることは無いだろうと考えました。

母にも同棲することを伝え、現職での復帰を諦め、転職活動も始めたことを伝えました。しかし、コロナウィルスが蔓延する中、去年の求人数よりも3割ほど減っているとハローワークの方に言われ、転職のタイミングとしてはあまり良い時期ではないと感じていました。

新卒で入社した会社でのそれなりの経験年数からすぐには辞めない人物だと判断され、すぐに内定を貰えるだろうと考えていたのですが、現実は厳しく面接をしては不採用通知が来る日々を過ごしました。

母の口から出た「永久就職」の言葉に怒りが込み上げた

そんな状況下で、母に不採用ばかりだけど、私頑張るねという話をしていた時に、
「もう彼氏とも長いし、結婚して永久就職しちゃえば良いじゃないの?」と言われ無性に腹が立ちました。

私は同棲したとしても、彼氏に金銭的に頼らず、対等な関係を築きながら、仕事を行う事が理想なので、女だから転職活動が大変なら、彼氏に養って貰えば良いのにと暗に言われた気がして、私を馬鹿にしているのかと憤慨してしまい、その後は怒りをぶつけてしまいそうだったので、何も言わずに一人暮らしの家に帰りました。

母は「好きな女の子を養えない男はダメだ」という考えを持っているようなので、結婚して彼氏に証明して欲しかったのかもしれません。

私に根を張る性役割への不安と、母とは正反対の価値観

しかし、私は結婚して相手の収入に頼るという考え方は、お互い対等な関係を築けないのではないかという不安があります。悪い噂で聞く、男は仕事、女は家庭という性別的役割分担を強いられるのではないかと勝手思い込んでいるのです。

彼氏は性別的役割分担を押し付ける人物では無いと理解しているのですが、そもそも、人が稼いだお金で物を買うということが大人になってからは苦手になり彼氏に永久就職するという選択肢は私の中ではありえない選択肢でした。

母から転職活動が辛いなら、永久就職して楽になれば良いと私の身を案じて言ったのでしょう。そこに悪気はなくても、私はどんな人でも、一人で食べていける分くらいは稼いで行くことが人生で大事だと考えています。

私は私の価値観で「永久就職」は選びません

誰かに「永久就職」する人がいたとしてもそれはその人が選んだ道。

今、日本では失業者が増え、休業者数も4月の時点で約600万人で過去最大と某大手経済紙で報道されていました。
私は幸いにも転職先が決まりました。自分の人生を誰かの収入や仕事に頼る生き方はせずに、自分で稼ぐ生き方を私は選択します。