私は、28歳の今、
5社目の会社に入社しようとしている。

転職回数は、
昔は確かにコンプレックスだった。
でも、今はとても誇りに思っている。

遡ること新卒の就職活動中。
なんてことない平凡な大学生活を送り、
第一志望の会社に入社。

キラキラした同期に囲まれて、
新卒研修を終えて、
わくわくした気持ちで、いざ配属。

待っていたのは、
強烈なパワハラが日常的な職場。
その場でいちばん偉い上司が、
顔を真っ赤にして大声でずっと
誰かに怒る。

私の配属の歓迎会で、
その上司がお酒の席でも
少し上の先輩を怒鳴りつけているのを
目の前で見て、
「ああ、配属運なかったなあ...」と
覚悟を決めて、日々を過ごす。

部下たちは、空気を読みすぎて、
電話すら上司に聞こえないように
ひそひそ話す。
それでも、ちょっとした出来事で
上司の逆鱗に触れ、
皆の前で誰かが餌食になる。

「ああ、これが社会人かあ...」
ワクワクした気持ちなんて、
配属1週間で消え失せた。
ここは戦場だ、と思った。

年の近い先輩にも小さな意地悪を
たくさんされ、
少なからず、トップの心のあり方は、
部下の心に反映されるのだと感じた。

キツくても楽しかった職場にある日突然行けなくなった悔しさ

幸い、仕事自体はキツくも
楽しかったので、
何とか1年半くらいを過ごした頃、
ある時ガクッと朝起きれなくなる。

プツッと糸が切れた瞬間すら、
よく分からないまま、退職。
きっと、心はずっと
死んでいたんだと思う。

とにかく、悔しかった。
まだまだ、仕事は頑張れたのに。
今でもあの時の惨めな気持ちは、
昨日のことのように思い出せる。

そんな気持ちを抱えながら、2社目に。
仕事にも人にも恵まれて
多忙な日々を過ごすも、
彼氏と同棲のために転居と転職。

それ以降も、彼氏の転勤が続いて
気付けば次が5社目。

プライベートに合わせて職場を変えるのは、大切なものが明確だから

なぜ、仕事よりプライベートを
優先したのか。
決して仕事を軽くみたのではない。

答えはシンプルで、
健やかな心で働きたかったから。

そのための1番近道が、
私にとっては、
彼氏と一緒に暮らしながら働くこと
だった、というだけ。

働くことは好きだし、
幸い今までの転職活動でも、
納得できる会社に入社ができている。
1社目の仕事への悔しさは、
ちゃんと昇華して仕事に向けてきた。

好きな仕事をするためには、
心も体も壊さないように、
自分が自分を守らなければならないと、
新卒の経験から学んだ。

転職・転居していく中で、
全国各地で
正社員・契約社員・派遣社員の
色んな立場を経験したからこそ、
たくさんのことも学んだ。

自分より弱い立場の人を
守れる強い人になりたいと
感じるようになった。

また、私にとっては、
どこで暮らすか、よりも
誰と暮らすか、の方が
大事なことに気付けた。

あまり激務が向いていないことにも、
転職を通して気付けた。

キャリアを築くためにも、
自分の心を守る。
そして、できれば、
誰かの心も守ってあげたい。
そんな軸が20代のうちに
できあがったのは、
今までの経験のおかげだと思うし、
過去の環境に感謝したい。

5社目の今、いつかパワハラ上司に伝えたい「一言」

5社目で私は、
部下を持ちたいと夢見ている。

メンタルマネジメントの
資格も取りたい。
もし万が一、
またパワハラに出会ったら、
私が職場を守ってあげたいから。
パワハラする側の心にも寄り添いたい。

私に夢を持たせてくれた、
今までの社歴に感謝しつつ、
パワハラ上司に、一言いつか言いたい。

「分かり合えなくて、つらかったです。
 あなたを助けられなくて、
 本当に申し訳ございません。」