私は、ピュアな女の子になりたかった。
細い体型や白い肌に憧れてた。
優しくて、かわいい笑い声に憧れてた。
みんなに可愛がられる女の子って、いいなって思ってた。
お酒で人が変わる女の子になりたくなかった。
下ネタについていけない女の子になりたかった。
初めてお付き合いした人と結婚したかった。
ワンナイトという言葉を発さない人生が良かった。

どうして…私は「憧れの女の子」から遠ざかっていくのだろう?

でも、今の私はね。
ダイエット脳が消え去って過去一番重い体だし、日焼け止めを忘れてきたからか、22歳なのにシミが出てきちゃった。
色んな子を見て声と笑い方を研究したけど、声は低いままで、笑うときは手を叩いてしまう。

21歳までお酒は飲まずに頑張ったのに、この前飲み過ぎてぶりっ子になっちゃった。
徹底的に耳に入れないようにしていた下ネタ、わかるようになってきちゃった。
お別れした初めての彼氏とは、心の底から本気でやり直したいと思ってるよ。
お付き合いした人数よりも、ワンナイトの人数の方が上回ってる。

そう、私はお付き合いした人数よりも経験人数の方が多い。
お付き合いした人数は4人。そのうちの2人は何も起こらず別れた。
今は5人目候補数名と駆け引き中。
「二股になっちゃうかも」なんちゃって。
うそうそ。そんなことしないよ多分。
私の経験人数は8人。
つまり、ワンナイトが6人。

もしかしたら、そこまで多くないのかもしれないけど。
でも、自分のことだと思えないくらいの数字。
どうして、憧れの女の子から離れていってしまったんだろう。
どうして、ダメなことたくさんしてきちゃったのかな。

オンとオフの自分を使い分けていたのに、オフの自分に占領されていく

私の原動力は、憧れなのに。
大学受験も海外での勉強も、バイトも、資格も、就活も、全部憧れを求めて頑張ってきたのに。

オンのときは、憧れが私を引っ張ってくれたのに。
オフのときも憧れがベースだよ。
でも、「私の憧れの“透明感のある肌”なんて手に入るわけない、そもそも私可愛くない」「可愛くないからきっと彼にフラれるし。ああ、やっぱりフラれた。もう、いいや」「守るものなくなった」の無限ループ。

その結果、お酒に頼って経験人数を伸ばしていった。
日焼け止めを忘れる度、食べすぎちゃう度、ダメなことをする度、可愛くない自分に失望した。
そんな自分の愚かさを、誰かに求められることで肯定したかった。
衰退していっているけど、大丈夫。
憧れから離れている私でも、形ばかりは愛されるから、必要とされているから…。
だから、私は可愛い。

でもその翌日、自分にまた失望する。
自分磨きをやめ、そんな自分に疲れてまた...。

わかってるよ。こんなのフェイクで、インスタントな愛なのは。
可愛がられたい方向が違うのもわかってる。
絶対に幸せにならない愛の例なのもわかってる。
絶対、いつか落ち着かなきゃいけないのもわかってるよ!
それでも私は十分だった。可愛くない自分を繋ぎとめるには十分すぎた。

愛されている感じがしない。だから、誰か私を愛してくれませんか?

そうそう、さっきの5人目の彼氏になりそうな人ね。
とりあえずキープしておきたいんだ。

だって、今の彼氏とも怪しいんだもん。
「相棒」と呼んでいる女の子の家に泊まりに行ったし、「将来同じビジョンがあるから」って、お試しで一緒に住み込みで働きに行くんだって。
こんなの、おかしい。彼氏に愛されてないって思っちゃう。
もういい。他の人に愛してもらうから。

だからといって、5人目のことをキープ扱いしてる私、汚い。
二股も十分視野に入れている私、汚い。

誰でもいい、こんな汚い私のこと、愛してくれませんか。
誰か、どんな形でもいいから、私のことを愛して。求めて。
でも、もう早朝の電車の中でのあの罪悪感、もう味わいたくない。
だから、本当は違う手段がいいんだけど。
でも、どうしようもないこの思いを埋める方法は、頑張るパワーを取り戻す方法は、今のところ、1つしかないから。

お願い、誰か私のことを愛して。
可愛がってくれたら、今度こそ頑張るから。
4月から社会人。オトナのランク、一段アップする。
ランクアップしても、フェイクなインスタントの愛を求めていくのかな。