自分らしい格好をすれば、女も男も関係なく「私」になればいいな

ベリーショート。太い眉毛。肩幅は広い。大きい手足。くびれがない。スカートは履かない。夏はTシャツばかり。そしてAカップ。
私は「男か?」と思われる容姿、体格だ。だが、男っぽいと思われたくない。かといって、女っぽくしたいとも思わない。どっちでもなくいられたら、嬉しいと思って生きている。
いつからこのような容姿になったのか、考えてみる。
今の見た目になり始めたのは、高校生のときだ。制服はスカートだったから、女子生徒ならば穿くものと認識して違和感なくスカートを穿いていた。
だが、髪の毛を伸ばすのが本当に嫌だった。全然美容院に行けなくて、伸びかけたときの気持ち悪さは今でも覚えている。そこで思いきって短くしたら、心のモヤモヤが一気に取れた。
真面目に履いていた長めの靴下にも違和感が芽生えて、スポーティーにしてみたいと思い、くるぶし丈の靴下に変えてみた。しっくりきた。ずっとこれでいこうと心に決められた。
短期大学に進学してからは、私服で通学。化粧をするようになり、もっと自分の見た目が今に近づいた。女子短大に通っていて、周りには本当に可愛らしい“女子力”が高い生徒が沢山いた。
そんな中で、私は女子とはかけ離れた女子になっていた気がする。ショートヘアにパーマをかけ、ほぼ毎日スキニーパンツやジーンズで、男の人が着るような服ばかりで統一していた。胸が小さかったから、ピチッとした服やシャツ系を着こなせた。そしてスニーカーばかり履いていたため、女らしさは一切出ていなかった。
化粧もやり方がわかやず、こだわりがなさすぎたため、うっすら化粧をして終わり。唯一気にしたのは、眉毛だけだった。昔から細い眉毛は怖い印象があって、太くてくっきりした眉毛が好みだった。太眉の上にアイブロウをしっかりのせて、男の人のような凛々しい眉毛になった。
社会人になってからも、ほぼ系統は変わっていない。パーマをやめたり、涼しさと動きやすさを求めワイドパンツを穿くようになったなど、少しばかりの変化はした。
今でも、自分の容姿についてはずっと悩んでいる。大多数の人が、私を「女の子なんだから」と言う。間違っていないとわかっているが、自分の中で女らしくしてしまうと、絶対に自分ではなくなってしまうし、他人になった気分になる。
胸は大きい方がいいという認識が、世の中には広がっている。だが、大きい胸の自分を想像すると違う気がする。スーツや制服もスカートが求められる事が多い。パンツやズボンも十分オシャレで素敵なのに…と考えてしまう。駅ですれ違うカップルを見ていても、私は彼女達のような格好にはなれないと自覚している。
今は、自分が“女”ということに違和感はない。間違いなく女だから。
ムダ毛の処理やフレグランスを髪につけたり、香水をつけたりして清潔に見られるように努力している。
だが、それは女だからではなく“人間”として。清潔に見られる方が個人的に、生きていく上で大切と思っているからそうしている。性別によって見た目もそうでなければならないという固定概念が少しずつ緩和していけば、私の悩みはちょっとだけ軽減されるのかもしれない。ほんの少し楽になるかもしれない。
23歳、女。悩みながらも、真っ当に、自分らしく生きていきたい。
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