私は子供の頃、極度の恥ずかしがり屋でした。
保育園の卒園式では人前に出られず、親に代わりに卒園証書をもらってもらう、小学校の入学式では名前を呼ばれても返事をしない、毎朝の健康観察さえ、ジェスチャーでその日の体調を伝えるなど、、。今思い返すと、相当周りの大人たちを困らせていたなと感じます。当時私が言葉を発せる相手は家族しかいませんでした。
恥ずかしがり屋の私がはまった大人扱いしてくれるネット掲示板の世界
変わることの出来ないまま時は流れ、小学2年生の頃、親が夜遅くまで仕事をしていたこともあり、携帯電話を持たせてもらうようになりました。学校では根気強く話しかけてくれる友達や、話さないと怒ってくる先生以外とは一切会話をしていなかった私は、本当は誰かとちゃんと会話がしたいという気持ちがあったのか、当時流行っていたふみコミュ(今の若い子は知らないだろうなぁ、、)や掲示板に書き込みをするようになりました。
人の目を見ないで会話ができるのはとても気が楽で、周りの友達が放課後に公園や学校の校庭で遊んでいる中、私はまっすぐ家に帰り、すぐさま掲示板で自分よりも10個や20個上の大人たちと毎日のようにやりとりをしていました。
自分の年齢を公開すると、「そんなに若いんだ!」「よくその歳で使いこなせるね」というコメントが多く、だんだんと子供なのに大人に混ざってお話できる私ってすごいのかもと、8歳の小娘はとても単純で、もっと大人に見られたいと思うようになりました。いわゆる〝ませガキ〟の誕生です。
子供扱いされる実世界。「大人だ」と言われたくて、背伸びをする毎日
兄弟でも親戚の中でも末っ子だった私は、お箸は1人だけ可愛いうさぎの絵がかいてあって、枕はプリキュア、5個上の姉はオシャレなデザインのシャンプーとコンディショナーを使い分けているのに、私はリンスインシャンプー。
私だって大人みたいに長くて絵が書いていないシンプルな箸を使いたかったし、子どもっぽい柄より眠りやすい良い枕を使いたかった。
実際に関わる大人たちはみんな私を子供扱いしてきたのが、なんだかとても不満だったんです。
小学3年生、どうにか学校でも会話ができるようになった頃、皆と違って私にはネットでできた年上の友達がいるし、ブログもやっている、なんて得意げに話していた気がします。対して仲良くなっているわけでも、内容のあるブログを書いていたわけでもないのに。皆のすごい!という反応が嬉しくて、必死に背伸びをしていたなと思います。とにかく〝大人〟に見られたくて。
大人になるにつれ変わっていく見られたい自分。結局私は若くいたい
小生意気なませガキのまま小学校、中学校を卒業し、高校生。限りなく私の思う大人の年齢に近くなった頃です。
メイクやファッションにも目覚め、1人で美容院に行ったり、デパートでタッチアップをしてもらうようになりました。会話の中に「おいくつですか?」という質問は毎回のようにあり、「お若いですね!」という言葉も毎回のようにありました。
不思議なことに、散々大人に見られたがっていたにも関わらず、若いという言葉が嬉しかったんです。初めて買ったCD、中学の時に流行ったドラマを話す度、「ジェネギャだ~!」と店員さん同士困った顔をしながら笑いあっているのがなんだか気持ちよく感じていました。
その時、私は最初からきっと大人になりたいんじゃなくて、〝若い〟のに〝大人〟に見られるのが嬉しかっただけなんだ、結局は若くいたいんだと気づきました。
それからというもの、20歳をすぎてからは若く見られたくて必死で、本当は髪色も明るく巻き髪なんてしてみたいのに、ある程度若く見える暗髪ストレートを選んだり、若い子向けのファッションを選んでみたり、。笑
年齢にとらわれず自分のやりたいスタイルを貫く人をかっこいいと思いながら、きっと私はこの先も、こう見られたい、と思う自分を必死に作って生きていくんだろうなと思います。いつになったら中身が〝大人〟になるのかな、、。