このテーマを見てすぐに、あ、いまの私だ、と思った。ぐちゃぐちゃした頭の中を整理するために書いたり消したりを繰り返していたところだった。
いま、実父と絶縁の手続きを進めている。
両親が離婚しても、父は私たちを解放してくれなかった
両親が離婚してもう5年も経つ。
父は何かしらの精神疾患だと思われる。
妄想、幻覚、幻聴、攻撃性、暴力、暴言。
そしてすごい数の浮気と借金。
挙げればきりのない父の狂った行動は離婚がやっと成立した後も母や私を苦しめた。母の職場に現れたり、妄想の中の酷い母の話を近所の人に話して回ったり。やっと逃げたアパートに夜中に現れて怒鳴り散らしたり(これは私の酷いトラウマとなった)。警察のお世話になったことも数回ではない。子供の大学進学のための教育資金にまで手を付けようとしたこともある。
絶縁の準備をしている今も、「いますぐ父と絶縁して完全に縁を切りたい私」と「父の病気の治療を手伝ったがいいのではないかと思う私」、という二人の私がいる。
矛盾して葛藤している。
「結婚おめでとう」って言ってほしかった、愛されたかっただけなのに
父に先日、私の結婚の挨拶に行った。父はずっとにこにこと嬉しそうにしていた。傍から見たら「普通の人」に見えただろう。
しかし、父が話すのは霊媒師さんのことや、母がどれだけ悪人か、自分はどんな人間か、そればかりだった。彼のことも一切何も聞かず「結婚おめでとう」とはついに言ってくれなかった。
この挨拶が数年ぶりの再会だったことを忘れているのだろうか。一緒にいなかった私の高校、大学生活、彼との出会い、私の人生について、父は微塵も興味がないのだろうか。
私のことは母を刺激できる母の付属品ぐらいの認識なのだろうか。
母に渡してほしいという分厚い手紙だけを受け取った。そこには母を侮辱する言葉が羅列されていた。私への手紙はなかった。
普通の父親に普通に人間として認識されて、子供の人生を尊び、少し寂しがりつつも結婚を祝福してくれる、そんな父親がよかったなぁ…と、実の父に愛されたかったなぁ…と、悲しくなった。
二人の私の声が頭に響く。この葛藤、私の人生に必要ですか?
すぐにでも法的に縁を切りたい私はこう言う。
「父が、病気でも性格でもその責任は祖父母にあるわ。私がすることじゃない。家族だからって思うことはないのよ。通院も何度もしたし、チャンスはあったじゃない!それにあの父親が何してくれたって言うのよ。トラウマだけを残して他に何も親らしいことしてくれなかったじゃない!」
病気の治療を手伝いたい私はこう反論する。
「もし、病気だったら、とても長い治療になる。病識が持てない病気かもしれない。祖父母も長く生きるわけではない。治療して少しはまともに考えられるようになって少しの罪悪感でも抱いてくれたら…そんなことないかもしれないけど…病気かもしれない人を目の前にして縁を切ってもいいの…?」
以前、カウンセラーさんから教えてもらったことがある。「人生は矛盾と葛藤の積み重ねだ」と。
いま会えるのなら聞いてみたい。
この葛藤も人生ですか?葛藤は人生に必要ですか?父と縁を切るかどうかの葛藤は本当に必要な葛藤ですか?いつか答えはでますか?
いくら考えても答えは出ない。でも、身体は動いていた。
まだ、答えは出ない。
私にとっても父にとっても何か良い方法はないのかずっと探している。
きっと法的に縁を切っても切れないものなのだろう。
母が父と絶縁したら他人だが、私にとっては縁を切っても父親だ。
私は父を憎んでいるのだろうか、治療という名目で私の理想の父に変化させたいだけなのだろうか。
頭の中で答えはまだ出ないが手は着々と絶縁の準備を進めている。行動に移している。
もしかしたらこれが答えなのだろう。
きっともうこれ以上傷つきたくないのだ。
結婚して私にも家族ができる。
守るべき人が増えるのだ。
これ以上あなたから受ける傷を増やしたくない。
私の大切な人を守りたい。
父は父のままで私は私のままで、合わないから離れよう。
血は繋がっていても、最初から家族じゃなかったのかもね。
ごめんね、お父さん。
さよなら。