「たまちゃんって一体何人推しがいるの?!」これは友達と趣味の話をすると決まって言われるフレーズです。私はアイドルが大好きです。

私が中学1年生の時、私立恵比寿中学さんと出会って初めてアイドルというものにはまりました。そこから同じ事務所の他のアイドルグループ、別の事務所のアイドルグループへ・・・と次々に新しいグループにハマっていきました。一つ好きなグループができたら、そこからどんどん他のグループにもハマっていく、いわゆるDD(誰でも大好きの略)、という一連の流れはアイドルオタクあるあるだと私は勝手に思っています。

アイドルオタクは「単推し」であるべき?!

しかし、アイドルオタクの人々は自分がDDであることを認めない傾向にあると思います。その理由として確かなことはわかりません。でも私が考えるに、アイドルの立場から考えて、もし自分のファンが自分のことだけを推してくれる「単推し」か、自分以外にもたくさん推しているアイドルがいるDDだったら、自分を「単推し」しているファンのほうが嬉しいと感じるだろうと考えるから、自分はDDではないと主張するのではないでしょうか。

実際に冒頭で挙げたフレーズを頻繁に私に言う友達は、ジャニーズのあるグループが好きで、その後にジャニーズジュニアやほかのアイドルにハマっていきました。その友達に「○○(友達の名前)ちゃんもDDだよね!」と私が言ったところ、その友達は「私はたまちゃんみたいにDDじゃないよ!私は○○君(友達の推しの名前)一筋だよ!!」といつも返してきます。このようにアイドルオタクの中にはDDであっても認めない人も少なからずいると思います(実際に私もDDであることを認めたくない時期がありました、、、笑)。もちろん「単推し」にこだわることが悪いことだとは思いません。ですが今の私は、DDである自分が大好きで、DDであることに誇りを持っています。それは、人はそれぞれ魅力的な部分は違いますが、様々な面から人の良い所を見出すことができるという長所であると考えるようになったからです。

短所を上回る魅力的な所を人それぞれ持っている

このように私がDDであることを肯定的に考えるきっかけになったこととして、一人の少女との出会いがありました。

私が私立恵比寿中学さんのファンになった後、「ときめき♡宣伝部」というアイドルにハマりました。私にDDの捉え方のきっかけを与えてくれたのが、このグループのリーダーである辻野かなみさんでした。辻野さんはとてもメンバー思いで努力家なメンバーと言われていますが、一つだけアイドルとしての問題点がありました。それは歌が少し苦手なことでした。歌のパート割ではいつも彼女のパートは少なく、残念に感じていました。しかし、初めてこのグループのライブに足を運び、彼女のパフォーマンスを見たとき、歌が苦手なことを忘れさせるくらいの彼女のパフォーマンスに驚かされました。歌唱パートが少ない分任されているセリフパートをしっかり彼女のものにしてこなしている姿、他のメンバーが歌っている間も体を大きく使ってダンスをしている姿、そして何より歌って踊ることの楽しさが顔だけでなく全身からあふれながらパフォーマンスしている姿。そんな彼女の短所をもろともしない、ましてや短所を活かして自分だけの魅力を伝えている姿に心を打たれました。そんな彼女の姿を見てから、人にはそれぞれ短所があるけれど、その短所を上回る魅力的な所を人それぞれ持っていると考えるようになりました。

このように人のことを減点法ではなく加点法で捉えることで、人の欠点ではなく、たくさんの魅力に気づくことができ、これは自分の長所であることに気が付いた私は自分がDDであることを認めることに抵抗はなくなりました。

DDとしてたくさんのアイドルに幸せの恩返しを

辻野さんに出会って、DDであることを認めるようになった私は、あるアイドルの言葉に強く共感しました。それは、現IZ*ONEのメンバーである宮脇咲良さんの「推し変」に関してラジオで語った意見です。宮脇さんは、推しを誰か一人に絞る必要はなく、「推し変(推しを変更すること)」ではなく「推し増し(推しを増やすこと)」が良いのではないかとおっしゃっていました。私はこの意見に共感し、ファンが「単推し」にこだわって「推し変」をすることで悲しくなるアイドルが出てきてしまう事は良くないことだと思いました。

私たちアイドルファンはアイドルに幸せをもらっている分、ファンもアイドルに幸せを与えられる存在であるべきなのではないでしょうか。一部の方々にとってDDであることは褒められることではないかもしれません。ですが、私はDDである自分が大好きであり、DDとしてたくさんのアイドルに幸せの恩返しをすることがファンの役割だと思うので、これからもDDであることに誇りをもって生きていきたいです。