努力、葛藤するNiziUを見て思った。「あ、これ見れないやつだ」

今、世間を虜にしているアイドルグループNiziU。
私が最初に目にしたのは自粛期間。生活リズムが狂いに狂い、起きっぱなしでぼんやり眺めていた朝の情報番組でした。

私がデビューした年とさほど変わらない、15歳のミイヒちゃんという女の子が圧倒的な歌唱力でバラードを歌い上げている回で、番組ではその素晴らしいパフォーマンスに至るまでの努力や葛藤も映し出されていました。
ぼーっとする意識の中、心は確実に動きながらも、直感的に思ったんです。
「あ、これ見れないやつだ」と。

なぜまだちゃんと見てもいない虹プロにこういった感情を抱くのか、考えてみると答えはシンプルで、改めて言葉にするには少し恥ずかしいものでした。

「成長過程も曝け出す、歌って踊る女の子」
私が持っている虹プロへの少ない情報のこの部分に、一番頑張っていた時の自分を勝手に重ね、その時ほど頑張れていない自分がこれまた勝手に嫉妬してしまうのです。第三者から言わせれば「お前なんかと一緒にするな」とか「同じステージにすらいないだろ」で片付けられてしまうかもしれないという恐怖に怯えながらも、なりたかった理想像に近い対象に嫉妬してしまう気持ち。

【嫉妬】という言葉が持つ、恨むとか憎むとかそんな湿度の高い意味では無く、ただ単純にうっわーすっげーうらやますぃーって思っちゃうアラサー(現役アイドル)の独り言を聞いてください。

アイドルという戦場。みんな自分とは違う武器を持っているようで羨ましかった

思えば私は、いつの時代も他人さまを羨ましがっている気がします。

小学生の時に好きだった男の子が好きだった女の子、中学生の時に学年で一番可愛かった女の子。
AKB48に入ってからは人気者の同期や、迫り追い越していった後輩など、やがてその対象はAKB48内に留まらずキラキラした女の子、全方位に向けられていることに気が付きました。

揃ったダンスとそれぞれの歌唱力で見るものを唸らせるモーニング娘。さん。
どんな時でも笑顔を絶やさず少ない人数で大きな会場を沸かすももクロさん。
流行のファッションを身に纏いバキバキのダンスで女の子の羨望のまなざしを欲しいままにするE-girlsさん。
最近、後輩にオススメのライブ映像を観せてもらったBiSHさんは、ファンの方に応援してもらっているというよりも音楽で会場中を幸せにしてあげているって表現がぴったりなオーラがあって嫉妬せざるを得ませんでした。

嫉妬でおかしくなってしまうぐらい素晴らしい存在は他にも数え切れないほどにいて、今挙げた例はほんの一部に過ぎないのですが、どの方々も自分にはないものを武器に同じ戦場で戦っているように思えて、今でも自分のコンディションが悪いと直視できずにいます。本当は気になって気になって仕方がないのに。

最後に自分を救えるのは自分だけ。強みを認めよう

では、自分の憧れであり、嫉妬の対象から一生目を背けて生きていくことが正解なのか、と考えると、私の個人的な答えはNOです。
人が熱狂するコンテンツを知らないまま過ごすのはあまりにもったいないことのように思えます。ですが、その度にもじゃもじゃした感情に支配されていたら心が持たない。
ならばどうするか。

それは簡単そうで難しい、ネガティブさんの永遠のテーマ『自分を認める』
これに尽きるのだと思います。

私が15年間身を置くAKB48にはAKB48にしか歌えない曲があるし、衣装はいつだって最高に可愛いし、握手会や総選挙で培ったファンの方との絆はどこのグループにも負けない自信があります。こうやって自分達の強みを認め、伸ばし、足りないところは努力していく。自分を救えるのは自分だけだとこの年になって学んだことのひとつです。

嫉妬や憧れがなくなってしまうことが何より怖い

私が何より怖いことは、嫉妬や憧れの感情を避けて、押し殺しているうちに不感症になってしまうこと。
何事も諦めて、努力することを辞め、「アイドルだ〜若くて可愛いね〜」なんて、お菓子片手にテレビに話しかけながらどんどん老けてしまっていく、それはある意味楽だけど、そんな自分は嫌です。だからこそ、世の中のキラキラと対峙して、羨ましいと思う気持ちをエネルギーに変えてこれからも必死にジタバタしていくしかないのだと思います。

あ、でもAKB48の同期である、あっちゃんやたかみながいう「アイドル可愛いね〜」には諦めのニュアンスが一切無く、別の場所で戦っている余裕と懐の深さを感じて好きです。
自分が卒業後、そのような大人の女性になれるのか、アイドルでなくなればこの感情から解放されるのか、それはまたその時に考えるとしましょう。

そんなことを思いながら、昨日の夜、高いお金を払って買った新しめのレコーダーが自動録画してくれていた「マツコ会議」を観ました。
NiziUのプロデューサーであるJ.Y.parkさんとマツコさんによる対談です。その中でJ.Y.parkさんが「この世の中で最も美しいものの一つが新人の瞳だ」と話をされていたのが印象的でした。
かつて私も持っていたかもしれない、その瞳の目撃者にならなければいけないという思いに駆られました。

今最も人々の心を動かす虹プロジェクトと向き合う。
その為に、機械音痴の私が自分の力で(虹プロのオーディションの様子を独占配信している)huluに入ろうと考え始めました。
表現者として、そして令和を生きる人間としての成長の為に、最近やっと手に入れたクレジットカード片手にまずはそこから始めてみようと思います。