わたしは、目を引く美人ではないけれど、服装や体型も含めれば、まあよくいる感じだ。都会に住んでいるであろう、装うことが好きなタイプ。客観的な自分の印象は、こんな感じだろうか。

26年生きていると、生まれ持った自分の容姿がどのくらいのレベルなのか、卑下ではなく冷静に捉えられるようになった。それでも無数のトライアンドエラーを繰り返してきたおかげで、今ではようやく手をかけるべきパーツやケアの仕方、プロのサービスの効率的な使い方など、自分が良いと思える容姿との付き合い方について、少しずつ分かってきた気がする。

コンプレックスばかりで、悲しくてたまらなかった幼少期の「自分」

なんていうと、美容にそこそこ詳しい人間に聞こえるかもしれないが、実際のわたしは、近しい友達ですら知らないくらいの容姿コンプレックスの塊だ。それは多分、小学生の頃から始まったように思う。

ガタガタの歯並び、癖の強い髪の毛、小さな胸、ニキビ、敏感で荒れやすい肌、下がり気味の薄い眉、決して大きくない目…。生まれ持ったものに加え、思春期特有の変化もあり、自認+周りのからかいで浮き彫りになった自分の容姿は、本当に本当に大嫌いだった。

歯科検診、頭髪検査、自画像を描く授業、集合写真…。思い返すと、学校は容姿と嫌でも向き合わなければならない場面で溢れ、狭い空間で発せられる幼い子供のストレートな物言いは、忘れることのできないほど自分に突き刺さった。分かってはいたが、ショックだった。

肌の綺麗な子や目鼻立ちのハッキリした子が心の底から羨ましく、コンプレックスしか持ち合わせていない自分が悲しくてたまらなかった。どうにか1つでも改善できないかと縮毛矯正をしたり、皮膚科に通ったり、色々なスキンケアやメイクを試したりしたが、田舎で子供が出来ることには限界があり、結局高校を卒業する時まで容姿コンプレックスが解消されることはなかった。

大人になっても鏡を見て落胆する日もあるけれど、解決法はあると思う

上京して8年、今なおコンプレックスがなくなったとはいえない。幼い頃と同じように、鏡を見ては落胆する日も決して少なくない。それでも、20歳を超えて始めた歯列矯正で、歯並びはかなり改善し(まだ矯正中)、年齢とスキンケアのおかげでニキビは減り、継続的なサロン通いで髪質は格段に良くなった。

コンプレックスの多さから半強制的に踏み入れた美容の世界は、想像よりも遥かに奥が深く、気づけば自然と様々な知識がつき、自分をケアする大切さや楽しさを知った。

「頑張ればいつか全てのコンプレックスは解消される」なんて絶対言わないし、恐ろしいことに歳を重ねれば、幼い頃とはまた別の悩みが出てきたりもする。今だに、そこそこ調子の良い日もあれば、誰にも会いたくないほど最悪なコンディションの日もある。それでも、環境や年齢で自然と解決することは確実にあるし、大人だからこそ色々な方法に好きなだけトライできるようにもなる。

悲しい影響は最小限に、嬉しい影響は最大限に受け取れますように…

だから、もし今自分の容姿に悩んでいる幼い子がいたら「そのコンプレックス全てが一生続くわけじゃないよ」と伝えたい。今は泣きたいくらい辛いかも知れない。できることも限られ、両親や友達に話すのも躊躇われ、容姿のせいで何もかもが嫌になることもあるかもしれない。今はそれでもいい。ありのままの自分を、受け入れられなくてもいい。

だけど、大人になったらいくらでも挽回できるチャンスがあることを知っていて欲しい。そして実は、大人になったら容姿以外のたくさんの魅力に気づいてくれる人がいることも、心の片隅で知っていて欲しい。

もし今、友達やクラスメイトを容姿のことでからかっている子がいたら、あなたが発する一言は、思っている以上に相手にトラウマを植え付ける可能性があることを、どうか知って欲しい。生まれ持った弱い部分を攻撃するのはやめて、思うことがあっても、心の中にそっとしまっておいて欲しい。きっと「あの時言わなくてよかった」って思える日が来るから。

容姿は、決して人生の全てじゃないけれど、多くの人の生活に影響を与えるものだと思う。だからこそ、悲しい影響は最小限に、嬉しい影響は最大限に受け取れますように。

1人でも、容姿コンプレックスに悩む幼い子が減って、いつか自分なりの付き合い方を見つけられますように。