「主夫、舐めたらあかんでえ」
毎週日曜日に見ているドラマ、「極主夫道」で出てくるセリフ。その言葉がちくっと自分の胸に突き刺さる。私は母のことを舐めていたのかな?

私の母は専業主婦である。結婚前、ばりばり働いていたが、結婚してからは子育てに専念するため仕事を辞めて専業主婦になった。私を含めて子どもを3人も産み、働きづめで子育てに無関心な父に代わりほとんど女手一つでみんなを育ててくれた。今はみんな独立して手が離れたので、母は習い事に通うなど、第二の人生として毎日生き生きと充実した日々を送っている。

私は心の中で、母のことをバカにしていたのだろうか

昔から母はよく愚痴をこぼしていた。「結婚してからは、あっという間だった」、「あの人が何もしないから、怒ること、しつけなども全部一人でやってきた」、「私は子どもの世話で毎日ずっとしんどかった」など。私と母は性格が似ていることもあって、よくぶつかって喧嘩や言い合いもしていた。何で私たちに向かってそんな愚痴を言うんだろうって。言わないでほしいって思っていた。年の離れた弟が生まれたばかりのときは母がイライラしていて、よく自分に当たられてつらかったのを覚えている。

社会人になって働き始めたとき、私はよく疲れて帰ってきていた。職場の愚痴を家で吐き出すこともあった。そんなある日、母が「なんでそんなにしんどいんよ」って軽い口調で言ってきた。私の中で、何かがプツンと切れる音がした。そして、言ってしまった。
「お母さんは、働いていなくて家にずっといてるから、しんどくないもんね!」
母は、「そんなこと思っていたんか!」って言って、それからまた言い合いになった。

私は心の中で、母のことをバカにしていたのだろうか。すごく嫌な自分を見つけてしまったみたいで苦しかった。

私には結婚して子育てができるのだろうか

あれから数年がたち、アラサーになって、周りが結婚しだし、ベビーラッシュに見舞われることが多くなった。私もいつか結婚して子育てをするということが身近な現実問題として迫ってくるようになった。すると急に怖くなってきた。私にできるだろうか。産後うつや子育てで悩んでいる女性の話を耳にするたびに、ちゃんとできるだろうかと不安が出てきたのだ。

3人も子どもを産んで必死に育ててくれた母は不安じゃなかったのだろうか。母は本当は働きたかったんじゃないだろうか。私は子どものために仕事を辞めて人生を捧げることができるだろうか。給料も出ないし、休みの日もない主婦の仕事を私は文句を言わずにできるだろうか。

仕事もばりばりできないし、不器用で子育ても怖い

私がもし結婚して共働きか専業主婦か選ぶことができるなら、どっちを選ぶだろう。そもそも結婚できるか分からないけれど(笑)。私は中途半端だ。子育てのために仕事を辞めて母みたいに頑張ることも、仕事を続けながら子育てを頑張ることも、私には両方自信がない。覚悟が持てていない。仕事もばりばりできないし、不器用で子育ても怖い。

ごめんね、お母さん。早く結婚しなさいっていつも私に言っているけれど、結婚も孫の姿を見せるのもしばらく時間がかかりそう。あのとき、ひどい言葉を言ってしまってごめんね。お母さんのこと、尊敬しています。