コロナ禍において、様々な分野に補正予算が当てられた。国民全員に一律10万円が支給されたことが、すでに幻であったかのように感じられる。加えてマスクの送付やgotoキャンペーン、他にも様々なコロナ関連の政策に、お金が使われてきた。そもそもこれらのお金の出所は、ご存じの通り、我々の納めた税金である。

児童手当の「特例給付」廃止検討は、所得が多い人だけの問題なのか

先日、政府が児童手当の中の「特例給付」を来年度中に廃止する方向で検討に入っているというニュースが飛び込んできた(旦那からのLINEで)。我が家は2人の幼稚園児を抱えた4人家族だ。そして私は現状主婦である。「特例給付って僕らも関係ある?」という旦那からのメッセージに、私は「うーん、我が家にはない気がする。多分、お金持ちや共働き世帯にも5000円は配ってたけど、それをやめるって話じゃないかなぁ」と返した。しかし自信はなかったのでその後調べてみると、大体は合っていた。

簡単に説明すると、まず影響が出そうなのは例えばこんな世帯。子どもが1~3人いて、夫婦で年収500万円と500万円で合算すると1000万円の家庭。現行では児童手当が支給されているけれど、今後はもらえなくなる可能性があるのである。子どもが3人いる家庭は、3人分丸っともらえなくなるので、トータル何百万ものダメージがある(詳しくは調べてみてね)。

私が大きく間違っていたのは、所得が多い=お金持ちだと思っていた部分である。ネットでは、所得の多い少ないに関わらず子育てに取り組む親達が、怒りの声を上げていた。

噂の「自助」の意味を感じる、子育て関連の問題や廃止

だって、たくさん働いても税金はとられるし、働けば働くほど預かり事業に家計は圧迫される。預かり保育の無償化といいつつ、私の回りの家庭を見ても、半額以上を負担している場合が多い。施設に入れるお金だけではなく、食費や生活費も共働きだと何かと吊り上がるのだ。我が家だってつい最近まで共働きだったから、それはよくわかる。それに来春には3人目の子どもが産まれる。関係ない?いやいや、大有りだった(猛省)。

家庭の教育方針は政府が思っている程に柔軟ではない。先の先を見据えて子どもの未来に投資したり、貯蓄したり。家庭によっては数百万をカットされるとなると、まず削られるのは食費になるだろう。学校を転校するのはもちろん簡単なことじゃないし、習い事だって頑張っているのに。このままでは将来的に、金銭的事情のみを考慮して籍を入れないとか、離婚するとかして、1人親家庭としてカウントされることを選ばざるを得ない親が出てくる可能性すらある。そんな国、嫌。

しかし、家庭にダメージがあるということはその分国にお金が残るということで。捻出した財源は待機児童の解消策に充てられるそうだ。

待機児童が解消されれば、金銭的に働きたくても働けていなかった家庭も、夫婦そろって共働きができる。そして晴れて世帯収入が1000万円を越えた暁には、めでたく児童手当特例給付の対象外となる、やったね!(あれ、税金払ったら家計が厳しくなっちゃったよ?)
って、いやいや。こんな見事なマッチポンプある?あぁ、これが噂の「自助」ってやつか。

子育て政策の恩恵を受ける私が実践する、国のお金節約方法

私の親としての望みは、義務教育時代の学習環境の質を担保してもらうこと。先生には相応のお給料を払って欲しいし、働き方だってバンバン改革して欲しい。お金をかけるならもうそこしかないとすら思っている。学校の先生の心や体が弱ってしまえば、子ども達の未来も崩れますよ。加えて言いたいことを言ってしまうと、塾に通うのがスタンダードっていうのももうやめて欲しいし、習い事が高過ぎるのも何とかできないかなぁ。

国への要望や思いは尽きることがない。こんなことを思ったり言ったりするのは、もしかしたらワガママなのかもしれない。他にも税金をかけるべき分野がたくさんある中で、議論に上がりやすい子育て分野は、これでもまだマシな方で。そこに巨額の税金が投入されるのを、子どもを持たない人が複雑な気持ちで眺めていることも、重々承知しているのだけれど。

私はその対価ではないが小さな穴埋めとして、子育て世帯にこそできる、国のお金を節約するための行動を1つ実践中。それは「ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選ぶこと」だ。

小さい子どもがいると、病院代薬代はバカにならない。それでも、医療費受給証というカードのお陰で、大分助かっている。このカードを提示すると、子どもにかかる薬代を含めた医療費は、大幅に減額される。ありがたい。では、具体的に何に助けられているかと言うと、やはり税金なのだ。

他の国を羨む前に、自由に対策や思いを言い合える日本にしてみたい

もちろん体に合う合わないがあるので、万人に勧めることはできない。しかし、子ども用の塗り薬や飲み薬で、ジェネリックを選んだ方が「塗りやすい」とか「飲みやすい」とかいうことは、往々にしてある。何となく先発の医薬品を使うのを止めてみる、そうすると実は、毎回何千円もの差額分の税金が使われずに済む、ということもあるのだ。私が家族のためを思ってジェネリック医薬品を選ぶことは、結果として税金の節約に繋がっている。

医療費受給証は、子どもやお年寄りなどの様々な世帯をサポートする為に送付されている。これを配る際、国民にジェネリック医薬品の事を改めてしっかり伝えるべきではないだろうか。薬局で見ている限り、ノリで「普通のやつ下さい」って言ってる人、いると思う。

今は一端の主婦が、勝手に思い付いた事を1人でやっているというのが現状だけど、こういうの、各業界の人々が話し合えば沢山出てきそうだ。ぜひみなさんの生活の中で見つけたアイディアを教えて欲しいし、シェアしたい。

「いいな~北欧」とか言う前に、「私は無理ない範囲でここ節約して貢献してます!」「ここにもうちょっと税金当てて欲しいよね!」とみんなで言い合える、そんな日本にしてみたい。もちろん「対案を出さなきゃ提案しちゃだめ」ということではないよ。単純に、「アイディアを出しあって『いいね!』し合えたら、令和だな~」と思うのです。あの北欧だって少子化しているのだ。少子化対策ありきでお金を投入するよりも、少子化したとしても生活の質を保つために、今からでもお金をやりくりするのはどうだろう。生きていく為には、金銭面だけではなく、心のゆとりも大切だということを、主婦達は知っている。いろんな立場の人々が賑やかに議論できる日が、いつか訪れるといいよね。