「髪なんて、そんな気にしたところで」
そう思っていた。そう思っていたし、髪を気にする女性にそういう男性に共感すらしていた。だから美容院に行く時も、「このくらいの長さで、あとは適当で!」っていうオーダーの仕方。もったいなかったと今は思う。

髪の影響力はすごい。はじめてそう気付いたのは大学四年生の時。遅すぎ?うん、普通に比べたら遅いかも。
だって大体の人が中学生、高校生でお洒落を覚え始める時とか、高校卒業して校則による髪への縛りがなくなったときにでも気が付くから。

私が髪の影響力を知ったきっかけは巻き髪。
YouTubeで可愛いYouTuberがやり方教えてくれていても、おすすめのコテを教えてくれていてもやらなかった巻き髪。やったらいいのにと言われてもやらなかった、巻き髪。
コテは大学生の私にはちょっと高価で、好奇心で試してみる気持ちにはなれなくて、どんなにおすすめされても「ちょっと買ってみるか」にはなれなかった。安物買いの銭失いにはなりたくない。ドライヤーで巻き髪を作る方法を見た時に好奇心が勝った。

髪だけで毎日「なりたい自分」になれることを知った

おそらく今見たらチンケな巻き髪なんだろうけれど、「やっぱり似合うね」とか、「可愛い」とか言われて、嬉しくなった。単純。
ただ周りと比べて髪のアレンジデビューが遅かったからこそ周りの反響は大きすぎて、髪は私の気分を上げる道具に変わった。
それまで服やコスメにかなりのウエイトを置いていたけれど、投資先は髪に変わった。

髪が私を変えてくれることを知った瞬間、違う景色を見せてくれることを知った瞬間から周りの人の髪も見るようになった。
「あ,あの人髪綺麗」
「似合ってる」
「あの髪型、後ろから見ても綺麗」
「あの髪型、どうやって作っているんだろう」
「あの髪すごくきれいだけど、どんなケアをしているんだろう…」

そんなことを重ねていくうちに気付いたことがある。
髪は後ろから見た時の印象も変えられること。
少し忙しくて肌の調子が悪くても、髪はそれまでのもっと長い時間のケア・頑張りの積み重ねがあれば内側からすごく綺麗なこと。
髪一つだけで雰囲気も見た目も180度変わってしまうこと。
それを知ってからというもの、人から見た自分の印象操作を髪でできてしまうことが分かった。それに印象操作ができるってなると、髪だけで十分「なりたい自分」にもなれるということもわかってしまった。毎日違う自分にもなれる。

髪で自分の気分を変えて、色あせない人生を楽しんでいく

辛いことがあっても、髪を入り口にして違う自分に出会えば自ずとポジティブになれたり。
悩み事とか自分の中の未解決事件があっても、髪を変えて新しい世界を見に行ったら違う考え方ができて解決したり。
日々鬱屈としてきたら髪型を変えて気分を一新して、いくらでもいろんな人生が楽しめたり。
マイナスから立ち上がらせてくれるだけじゃない。楽しいときに髪をちょっと変えるだけで別の面から楽しむことができたりもする。
髪で自分の気分を変えて、色あせない人生が楽しめる。
自分の気持ちを変えるだけじゃない。人からの印象もコロリと変えてしまう髪は、ときには人に寄り添うためのツールにもなる。

自分の気分、自分の人生、それから他人。こんなにも全てを変えてしまう髪って凄い。
いい髪は健康的な生活や日々のケアから作られるから、生活の指標にもなる。
日々のケアを頑張れば自然と美しい髪になって、自分の髪をみるだけ、触るだけで嬉しくなる。そうすると、ヘアアレンジもしてみたりしてさらに髪で気分をコントロールできる。
そうやって、髪は私たちの生活を底上げしてくれる。私たちが髪を持って生まれて来た理由はそこにあるんじゃないかって、最近ではそう思っています。