男性が苦手なままの私。私の心の平穏を守るのは、私のやり方で

「彼氏作らないの?」
「若いのに彼氏いないなんてもったいない」
「もっと出会いのあるバイトしたら?」

こんな言葉を何度言われただろうか。心配して言ってくれた人もいるだろう。だけど別に彼氏が欲しいとは思っていないし、彼氏のいない生活が私のデフォルトなのだ。

というのも私は男性の目線が得意ではない。

多分、私が男性から見られることが苦手なのは中学生の頃の経験が今でも尾を引いているから。

中学生になると小学生までには無かった先輩後輩という上下関係が急に生まれるからか、はたまた治安があまりよろしくない地域の公立中学校に進学したからか、先輩、特に3年生の怖さは尋常では無かった。中学1年生の私にとっては中学3年生なんて2歳しか差がないのにも関わらずとても大人に見えて、恐怖の対象だった。

怖かった兄の友達。近づいて品定めするように、顔を見てくるのが嫌で

そんな3年生の中に兄がいた。「お兄ちゃんなら兄妹だし怖くないんじゃないの?」と思う人もいるだろう。兄一人だけだったらもちろん怖くない。だけど怖いのは兄の友達だ。私の兄はあまりまじめではない(口の悪い言い方をするとガラの悪い)人たちとつるんでいた。そして私は兄の妹であることが兄の友達にバレていた。
兄の友達の誰か1人にでも気づかれると「佐藤(これは偽名です)の妹じゃん」という話声が聞こえ、たとえ遠くにいても兄の友達にじろじろ見られる。体調が悪く保健室で熱を測っていると、保険の先生に適当な口実を付け保健室に入ってきたこともある。コンビニで買い物をしていたらお店の中に入って顔を覗き込んできたことも。

ただ見られるだけで、話しかけられることもなければ危害を加えられることもない。だけど私のことを見つけたら近づいて品定めするように顔を見てくることがとても嫌だった。

そんなこと些細なことだと思う人もいるだろう。だけど中学1年生の私にとっては全く些細なことではなかった。ただでさえ3年生は怖い存在なのに、その中でもガラの悪い3年生が私のことをじろじろ見てくるのだ。自分の生活を覗き込まれているみたいで気持ち悪かったし、毎日怯えて中学校生活を送っていた。兄に言うともっと悪化するような気がして何もできなかった。

たとえ優しい人でも。「彼氏がいる=幸せ」の価値観を押し付けないで

この経験があるから大人になった今でも男性に視線を向けられるのは苦手であるし、ひいては男性が苦手だ。たとえ知っている人であっても優しい人であっても。
だから彼氏が欲しいとも思えないし、恋愛に発展することもない。
もちろん不躾に人のことを見ない男性がいるのも分かる。中学生のころの経験をすべての男性に当てはめることが間違っていることも分かる。

だけど私はどうしても男性が苦手で、私は私のやり方で心の平穏を守っているの。だから「彼氏がいる事=幸せ」の価値観を押し付けないで。