「まあ佐藤さん可愛いからいいんじゃない?」
意味が分からなすぎて思考停止した。

気持ち悪すぎる。私が女じゃなかったら?可愛くなかったら?

私は雑貨屋でアルバイトをしているのだが、しばしばお客様に商品の在庫があるか聞かれる。40代くらいの男性2人組のお客様に質問されて、お目当ての商品を置いていないことを伝えたときにこの言葉が聞こえてきた。

可愛いからいい?じゃあ私が可愛くなかったら?女じゃなかったら?
そもそもなんで私の名前を知っているんだ?ああ、名札をしているからか。
いや名前を見て店員の容姿の評価をするって気持ち悪すぎないか?

一気にはてなマークが頭の中に溢れ、そしてショートした。
この間ものの1秒もたっていないだろう。

ずかずかとプライベートな質問が。客にも自分にも嫌悪を抱いた

慌てて商品を置いていないことを詫びるも、お客様の男性2人の視線は私に向けられている。反抗しなそうな容姿をしているからか、何年勤めているのか、年齢はいくつだとか、ずかずかとプライベートな質問をしてくる。万が一お客様の機嫌を損ねてクレームになってしまうのは嫌だから、愛想よく話を合わせることしかできなかった。
お客様にとっては若い女性店員との楽しい雑談かもしれない。しかし私はお客様であっても見ず知らずの男性から勝手に容姿を評価されたこと、背が低く童顔であることを見てこの人なら大丈夫だろうと思ったのかプライベートな質問をされたことに嫌悪を抱いた。そして本心を隠してニコニコしながら答えることしかできない自分も嫌に思った。

かくいう私は自分の容姿にかなり執着がある。新型コロナウイルスの影響で大学がオンライン授業になり、外に出る機会がアルバイトしかなくても執着心は変わらない。背が低いことがコンプレックスで外に出る時はヒールのある靴を履くし、体重計に毎日乗って太らないようにしている。メイクもちょっとしたことが気になって延々と鏡と向き合ってしまうし、マスクをずっとしていると分かっていても口紅を付けてしまう。こんなことをするのは、アルバイトであろうといつだって自分の容姿に愛着を持ちたいから。決して他の誰かのためにしているわけではない。

お客様であっても勝手な尺度で容姿の可愛さを測られるなんて御免だ

こだわりは強いが、アルバイトは接客業だから他人から見た印象や清潔感、身だしなみには気を付けている。だけど私の容姿は売り物じゃないから、お客様であっても勝手な尺度で容姿の可愛さを測られるなんて御免だ。容姿・プライベートを詮索され、赤の他人の一種の娯楽として消費されたくない。

女性なら勝手に容姿の判定をされることは、よくあることなのかもしれない。しかしよくあることとして切り捨てたくない。我慢してニコニコ愛嬌を振りまくのではなくて、嫌なことは嫌だと言えるようにしたい。
私にできることはほんの少しのことかもしれないけれど、エッセイを投稿して、自分の思いをちゃんと伝えて、他人の勝手な尺度で自分を測られない社会にしたい。
ここ、かがみよかがみに集う方たちと一緒にもっともっと良い社会に変えられたらいいな。