【今回読んだエッセイ】

量産型ファッションは私にとって武器のようなものである。リボンがついたブラウスを着ている時は、フリルのワンピースを着ている時は、長身を気にするうちに猫背になってしまった背筋が自然と伸びるし強い気持ちでいられる。

「量産型オタクファッション」を身にまとうことで救われた話

このエッセイを読んで1番共感したのは、好きなお洋服を着ている時、人は強い気持ちでいられるという部分です。

私もガーリーなファッションが大好きです。量産型とは少し違うテイストですが、クローゼットには白いフリルのブラウスや、袖のふわりと広がったパフスリーブのワンピースがざっと見ただけでも30着以上あります。

見た目で判断 “か弱い”と思われがちだけど

そんなレースやリボンのお洋服は、他人から見れば、“か弱い”だとか“おしとやか”という印象を持たれがちな気がします。

例えば、普段ガーリーな服を着て街を歩いている時は、キャッチによく話しかけられて長い間ついて来られたりだとか、タクシーに乗った時は大抵運転手さんにタメ口を使われ、決して丁寧とはいえない対応、いわゆる舐めた態度をとられやすかったりします(なかには、気持ちのいい対応をしてくださる方ももちろんいます)。

また、ファッションのもたらす典型的なイメージは、仕事にも支障が出ることがあります。SNSにガーリーな服を纏った自分を載せているため、初めてクライアントさんに会う機会では「なんか意外とはきはきしてますね!」とか「もっとおっとりした性格の方だと思っていました」なんて言われてしまいます。これはいい意味なのか悪い意味なのかもういちいち考えないようにはしていますが…(笑)

ただただ、ガーリーなお洋服が好き。本当にそれだけ

実際、私はめちゃくちゃはきはきしている方だし、性格もおっとりというよりはせっかちで歩くのも話すのも速いんです。私の内面はふわふわ、ぽわぽわという言葉は似合わないし、だからといって、「やわらかく見られたい!」「ギャップ萌えを狙いたい!」とも思っていない。ただただ、ガーリーなお洋服が好きなのです。本当にそれだけ。

そして、そんなお洋服を着た私は、街でも、ミーティングでも、か弱く見られたいのではなくて、これを着てる私って無敵ですよね?世界で一番強くてイケてますよね。ええ、わかっています。と思っているんですよ。

ファッションって着ている本人にしかわからない特別な感情があるものだと思っています。量産型ファッションの人も、ガーリーなファッションの人も、ボーイッシュでカジュアルなファッションの人もフェミニンでお上品なファッションの人も総じて、自分が大好きなお洋服を着ている時、周りがたとえ勝手にそれとは正反対のイメージを抱いているとしても、なんだか強くなれる、自分に自信を持たせてくれるものだと思うのです。
それはお気に入りの1着がフリルでも、デニムでも、レザーでも関係ないのです。

だからこそ、「見た目がいかついからあなたってこういう人ですよね」とか「フリフリで幼いからこういうことはできないですよね」なんて決めつけないで欲しいし、自分と違うファッションの人に対しても、レッテル貼りをしたくないと思っています。
見た目ではカテゴライズできない気持ちが絶対そこにはあるから。

だけど、好きなお洋服を纏った時の自分だけのこのキラキラした気持ち。
誰からも見えないからこそ、もっと大切で、特別なんだと思う私もいるのでした。明日もお気に入りのもふもふの白いコートで街に出ようと思います。

◆読んだひと ぷるこ

ブランドディレクター、SNSコンサルタント、インフルエンサー。
1999年生まれ大阪府出身。
女子高生YouTuberぷることして活躍後、10代で起業しアパレルブランド「LOLIPOPKNIFETOKYO(ロリポップナイフトーキョー)」を立ち上げ、プロデュースおよびアートディレクションを行う。ブランドをサステナブルなものにするため準備中。YouTuber時代の知識を活かし、YouTubeビジネスとインスタグラムマーケティングのコンサルティングも行なう。
Instagram:@princesspruko