25歳になってから、結婚について考えることが多くなった。周りの友人たちは続々と結婚しはじめているし、結婚はまだでも同棲をしているカップルが増えてきた。

彼と付き合いはじめて、もうすぐ1年半。私たちは結婚も同棲もしていない。彼は大学院卒で社会人になって間もないから、結婚はまだ早いと思うし、それに対して不満はない。でも、周りに結婚について聞かれる度に、焦りを感じてしまう自分がいた。

デートの日は今でもドキドキ。彼のくしゃーっとした照れ顔が見たくて

私たちは、週に1回のペースで会っている。土曜日の夕方からデートをして、その夜は私の家に泊まり、日曜日のお昼頃に解散するパターンが多い。

彼とのデートは、今でも緊張する。「こっちの方が可愛いかな?でも、明るい色が好きって言ってたしこっちかな?」とぶつくさ言いながらやっとのことで服を選び、珍しい色のアイシャドウに挑戦するもびっくりするほど似合わなくてメイクやり直し...みたいなことを繰り返すから、デートの準備は時間が掛かる。でも、彼に可愛いと思ってもらうためなら、そんな時間も楽しく感じたりする。万全の準備を整えて、待ち合わせ場所へと向かう道のりは胸が高鳴る。「じゃあ行こっか」と手を繋いで歩き出せば、さらに心臓の音は大きくなる。

時々、横を歩く彼が私の顔をじーっと見つめることがある。私は前を向いているからはっきりと彼の表情は見えないけれど、少し目を細めて微笑みながらこちらを見ている様子。こういう時、私は彼の方を見て「可愛い?」と聞いてみる。すると、彼はほんのり顔を赤くしながら「すごく可愛い」と言ってくれる。単なる「可愛い」ではなくて毎回「すごく」とつけてくれるのが嬉しいし、何より彼のくしゃーっとした照れ顔が見たくてどうしても聞きたくなってしまう。

狭いキッチンで朝ごはんを一緒につくるひと時が、幸せで楽しい

お酒を2、3杯飲んでほろ酔い気分になった頃、私の家へと向かう。6畳一間の部屋は、2人で過ごすには狭いけれど、週に1回であれば問題ない。ただ、唯一不便なのが、翌日の朝ごはんづくり。私たちはいつも一緒に朝ごはんをつくるのだが、キッチンが狭く、まな板もフライパンも1つしか置くスペースがない。その上、彼は料理が得意でないから、彼ができることといえばパンをトースターに入れるぐらい。あとは、私の料理姿を横でひたすら見つめている。途中、「ほうれん草、あんなに入れたのに調理するとこんなに小さくなるんだね!」と驚いた様子でコメントしたりするのが面白くて、クスッと笑ってしまう。そして、出来上がった「ほうれん草とベーコンのバターソテー」。一口食べて「めっちゃうまい!すごいなあ」とベタ褒め。幸せで、楽しいひと時だ。

「今週も幸せだったよ」。週1回しか会えないからこそ、キラキラする

朝食を終え、お昼近くになると彼は帰る支度をはじめる。そのまま夜まで一緒にいることは無くて、必ずお昼には帰る。日曜の夜は、お互い別の予定を入れていることが多いのだ。午後1時、彼を駅まで見送って帰り道を1人で歩く。見上げた空は綺麗な水色をしていて、気分が良い。その時、コートのポケットに入れていたスマホが震えた。彼からのLINEの通知だ。

「今週も幸せだったよ。ありがとう」

会うのは、週に1回。だからこそ、一緒に過ごす時間はキラキラしていて、愛おしい。いつかは彼と結婚したい。でも、今だからこそ味わえる幸せがあるから、それをしっかり噛み締めて、大切にすることを忘れずにいたいと思う。