「おバカさん」とはかつての私のことである。少女だった私の笑顔が遠くで霞む。
普通の幸せが欲しかった。でもそれはもう来世に期待して、今世では徳を積むことにしようと思う。
なーんて嘘です。私はそこまでお人好しにはなれそうにない。

洗脳されていることにすら気付かず平和な星で生きているそこのあなた。
ごめんなさい、この台詞言ってみたかっただけなの。
私は現在どん底星にいます。
どん底って、どんなイメージかしら? くすんでいるのは身と心とそれから顔面だけで有名なわたくし。本日はここ、どん底星からキラキラ流れ星をお見せします。皆さま準備はいいですか?

「普通」より泥臭く、髪を振り乱して必死にもがき生きている

普通に大学を卒業し、普通に結婚した。普通であることこそが正しいとされる世の中に、なんの疑問も持たなかった。
大衆にそぐわない=普通ではないという公式をバカのひとつ覚えみたいに丸暗記し、大衆の根拠不明の「正しさ」に当てはめてきただけかもしれない。

「正しい」ふりした人々を量産させるこの社会、果たして誰得なのだろう。異を唱えるものは打たれる。生きやすいのは誰で、誰がしあわせで、しわよせは誰にきている?
こんな世の中こそが普通ではない気さえしている。  

人生はほんの少しのボタンのかけ違いで大きく変わる。まさか起こるはずのなかったイベントが、我が一生のうちに起こったりする。主役降板、誤算だらけだ。

私はというと、すべてを失った。
貯金もない、仕事もない、病気と負債は一丁前に抱え、双子育児に奮闘する極貧シングルマザーである。

「なんだ偉そうに」と思った人、「普通」の思考回路です。社会的に弱者とみられるものは下という風潮はこの令和で消し去りたい。
男女平等という言葉だけが高らかに一人歩きし、取り残されてる者には目もくれない。
私はただ少しばかり「普通」より泥臭く、髪を振り乱して必死にもがき生きているだけなのだ。

「ここで負けたら一生狭い世界から抜け出せない」という気付き

写真には映らない美しさがある、とはどこかのロックンローラーの名言かもしれないが、現代社会の価値観はSNSを見れば歴然だ。こぞって優雅なもの、綺麗なもので溢れている。そこに参入しようものなら陰で囁かれる。

「シングルマザーは日の目を見ずに汗水垂らして働くものだ」というレールは誰が決めたのだろう。世の中は「普通」という言葉を利用して同調圧力で制してくる。

だが、ここで負けたら一生狭い世界から抜け出せない、ということに気付けたことが、このどん底を受け入れ前に進むということでもあった。
私はきっと不幸の星に生まれたんだ、などと絶望し、自分を納得させようとしたこともあったけれど、今はそんな星なんかグーパンチで破壊して最高の星をイチから作って笑ってやるぜって思ってる。

やりたいことをやろう。正直に私を生きるのだ。

みんな常識を当たり前に信用しすぎている。
疑う余地もないほど常識に洗脳されていることの恐ろしさ。
普通に結婚し、普通に家庭を持つことこそが幸せの象徴のように語られる。常識が幸せを運んでくれる保証なんてどこにもないのに。

その根拠は私というバカが証明済みである。常識をひっくり返して自力で掴む。
もう私にはこの人生しかないし、このままでは終われないのだ。
境遇や年齢にためらわず、やりたいことをやろう、遅すぎるなんて言い訳だ。
正直に私を生きるのだ。

一刻も早くどん底星の住人をやめたい。脱!どん底!
いつか必ず最高の星から、私史上最大のハッピーをお伝えするために。お先真っ暗だなんて下を向いてる暇はない。リスタートダッシュをとくとご覧あれ。

キラキラキラーン! あっ、流れ星! お願い事、3回唱えられた?
小さい頃、間に合わないのが悔しくてよく泣いたものだ。あの頃の私が遠くで笑っている。

幸せを掴もうと血眼になり、流れ星を探しては、手に汗握りながら願いを唱える私が。
思い出した。あの気持ちで生きるのだ。上を向き、光さす方へ。