「わたしは23さいくらいに結婚するんだぁ!それで、子どもは3人。男の子・男の子を2歳差で産んでちょっと間をあけて女の子を産むの!」

これは私が10歳の時に宣言していた言葉だ。

本気で結婚を意識すると、2人だけでするものではないと知った

当時の私は、ただただ大人になったら結婚するものだと考えていた。
そして“結婚=幸せのかたまり”だと信じていた。
そんな白昼堂々とした宣言から月日は流れ、学生になった私はそこそこの恋愛を経験し、高校卒業と同時に社会人になった。

社会人一年目が終わろうとしているころ、私は主人と出会うことになる。
交際が始まり、一年、二年、三年…と同じ時間を過ごしていく中で少しずつ少しずつ“結婚”を意識し始めた。

子どもの頃の「結婚する!」という言葉は、まるでわたあめのようなふわふわとしたものだったが、社会人になり本気で結婚を意識した時“結婚”の二文字が恐ろしく思えたことを今でも鮮明に覚えている。

「好きな人と結婚する」
といえば、なんて幸せなのだろう。と10歳の私は感じるのだろう。
でも実際は、結婚は二人だけでするものではなく、互いの親や親族、様々な人を巻き込むことなのだと知ったのだ。

家族ぐるみの付き合いが始まる。不安が頭をよぎったけれど

私にとって一番心配だったことは親類縁者のこと。
というのも、私が生まれ育った家庭は少し複雑な事情があり親類と縁を切っていた。
なので、幼少期に従姉妹と遊んだ記憶もなければ、親戚でお正月に集まるなんてイベントももちろんなかった。

私にとってはそれが当たり前のことだったが、彼の話を聞いていると、毎年のように従姉妹たちと旅行に出掛けたり、年末年始や法事など何かあるたびに親戚で集まり宴会し親類縁者皆が深い絆で結ばれていることを知った。

彼のことは大好きだけど、私の家庭環境を受け入れてもらえるのか、そして結婚できたとしても彼が今まで過ごしてきた環境に私が馴染めるのか…など様々な不安が頭をよぎった。
そして、結婚って紙切れ一枚提出すれば出来てしまうけど、もっともっと根っこの部分の家族ぐるみの付き合いが始まることなのだと改めて気付いた。

私は結婚が決まってから、親類縁者のことを打ち明けるべきかどうかずっと一人で抱えていたが、結婚式の参列者を決めるときに我が家の親類縁者が両親兄弟以外来ないことになるので、彼のご両親も不思議に思うだろうと思い、今はほとんど親類縁者とは会っていないことを打ち明けた。

思い切り引かれてしまうのか…など私が心配していたようなこともなく、「そっか~!」と軽く受け入れてくれたことが何よりも救いだった。そして、私自身を飾らなくていいのだと思わせてくれた瞬間だった。

結婚してから、ふと感じたこと。互いのベクトルの向きが変わった

それから、結婚準備は順調に進み、無事結婚式を挙げ私と彼は夫婦になった。
私が23歳の冬だった。

結婚するまでも結婚してからも、同じように意見がぶつかり合うことはたくさんあるが、結婚してからふと感じたことがある。
それは互いのベクトルの向きが変わったということ。

結婚するまではお互い相手の方を向いていたが、結婚してからは相手ではなく互いが同じ方向を向いているということだ。
相手だけを見るのではなく、二人で同じ未来を見つめる。
そんな感覚になっている。

それからもう一つ。
結婚してしばらくして、我が家は子どもを授かり男の子が産まれた。そしてそれから2年後、また男の子を授かり産まれた。
私は次男がお腹にいるときに10歳の頃の自分のあの宣言を思いだした。

「わたしは23さいくらいに結婚するんだぁ!それで、子どもは3人。男の子・男の子を2歳差で産んでちょっと間をあけて女の子を産むの!」

当時は何も深く考えずに言っていただけだが、もしかしたらあの時の宣言が言霊として叶えられているのかもしれない。
23歳で結婚して、子どもは2歳差で男の子二人が産まれた。
そして今、主人と3人目は女の子がほしいね~なんて話している。