2019年、私は母になり、専業主婦になりました。この一年間は、自分で作り上げた「理想のお母さん像」と現実の自分とのギャップに悩んでばかりでした。

私の「理想のお母さん像」は、母の影響を強く受けています。

母の影響を受けた理想像

母は23歳で私を出産しました。3年後には弟も産まれ、仲良く平和な家庭で私は育ちました。母は、私たちが幼いうちは専業主婦でした。子どもたちが小学校に上がるとパートを始めましたが、お昼過ぎには家に帰ってきました。だから私たちが「ただいま!」とドアを開けると必ず「おかえり」と出迎えてもらうことができたのです。私は毎日、夕飯の支度をしたり洗濯物を畳んだりする母に学校での出来事を話しました。この時間は私に大きな安心感を与えてくれました。

こうやって育った私は自然と、「私も自分の子どもに同じようにしてあげたい」と思うようになりました。「若いうちに出産して、子どもが幼いあいだは専業主婦。大きくなったらパートを始めて、夕方には家に戻って一緒にいてあげたいな…」私は高校生くらいから漠然とそんな未来を描くようになりました。

そして私も社会人となり、仕事を始めました。色んな会社の、色んな価値観の、色んな年齢の、色んな人たちと関わり、世界がどんどん広がるようでした。責任ある仕事を任せてもらえる喜びと重圧も知りました。自分が成長していく楽しさも感じました。働いているうちに、子育てをしながらイキイキと働く女性を何人も見ました。母の時代とは違うのだと肌で感じた私は、「結婚して妊娠出産を経ても、仕事を続けたい!」と思うようになっていきました。私が描いていたライフプランは少しずつ変化していったのです。

しかし、2年ほど働いたのち私は体調を崩してしまいました。休養を優先させるため苦渋の決断で退職。すると、なんとそのタイミングで子どもを授かったのです。こうして私は意図せず専業主婦になってしまいました。

体調が優れず入院続きの妊娠生活を経て、どうにか無事に出産できました。産後は自分の体の回復に努めながら、一生懸命赤ちゃんのお世話をする日々が始まりました。我が子は言葉では言い表せないほどかわいく愛しく、幸せな生活です。

働いてるみんなが羨ましい

しかし、ふとSNSを開くとそこには同世代の女性たちがバリバリ仕事をこなす姿が…。彼女たちは着実に経験を積んでキャリアアップしていくように見えます。どんどんみんなの背中が遠くなって、ポツンと置いてけぼりにされているような…。私だけ社会から取り残されている感覚に陥りました。

働いているみんながキラキラ輝いて見え、羨ましいのです。望み通り20代中盤で出産して母になることができたのに、ないものねだりですね。

こうして私は仕事を始めたいと考えるようになりました。すると、「短い赤ちゃん期間を毎日べったり一緒に過ごしたい」という高校時代から思い描いていた理想の母親像と、「仲間と共に目標に向かって働き達成感を得たいし、経験を積んで成長したい」という一人の人間としての私が、せめぎあい、葛藤するのです。

悩んでばかりいても何も変わらない。そこで私は前職時代のつながりを頼り、在宅で仕事をもらえることになりました。「いまは我が子との時間も大切にしたいし少しずつ仕事もしたい」という欲張りな私にぴったりの生活を送っています。

共働き家庭が主流になってきた現代。子どもを保育園に預けて職場復帰するたくましいママがたくさんいる中で、ずっと子どもと一緒に家にいる選択をした私はひょっとしたら少数派なのかもしれません。正社員としてガムシャラに働ける日も待ち遠しいですが、2020年は自分にも家族にも負担がかからない暮らし方を模索する一年にするとここに宣言します。