「いいな」

私がいつも思うこと。インスタ、ツイッターでキラキラしているあの子に対して、「いいな」という気持ちと「あなただけズルイ」という気持ちが込められた3文字を、いつも1人でつぶやいていた。キラキラした投稿しているあの子が嫌いで、嫌いと思ってしまう私が嫌いだった。

2020年は自己嫌悪との戦いだった。

コロナ禍で外に遊びに行っている友達への「いいな」と「ズルイ」

「コロナが流行してるんだから家にいろ。」

その言葉に従って家にこもっていた私は、旅行に行っている友達や、大人数で遊んでいる友達に対してモヤモヤした気持ちを抱いていた。きっと世間的に褒められるのは私で、非難されるのは友達のほう。そう思う反面で、私だけなんで家にいるんだろう、なんで私だけ我慢しなくちゃいけないんだろうという思いが徐々に膨らんでいった。

その思いがついに、「いいなあ」という負の言葉をため息と一緒に生み出してしまった。

他人と比較して何になるのか、人は人、自分は自分。
わかっているのに心の底からそう思えない私が嫌になっていった。

どうしても「いいな」という思いと「ズルイ」という思いが消えなかった。

そこで私は私を守るために、「自粛しなくちゃいけないのに旅行に行くなんて、意味がわからない」「遊んだことを投稿するあの子は、あんまり好きじゃない」と思うことにした。

しかし実際は友達に対して皮肉な考え方をする私自身のことが嫌いになっていった。

コロナ流行前にはしたことがない「自分磨き」を始めてみた

ある時、いつものようにインスタを眺めていると、「自粛中にできる自分磨き」という投稿を見つけた。そこには料理から掃除、ダイエットまで、家にいるからこそできる自分磨きの方法が書かれていた。

私はこの投稿を見る前まで、他人ばかりを気にして自分のことに注意を向けていなかったことに気がついた。自粛期間中に私がやっていたことは、コロナが流行る前と何にも変わらないいつも通りのルーティーンだけだった。

この投稿は、何かいつもと違うことを始めてみようと思うきっかけになった。そこから私は料理や部屋の整理、新たな趣味や習慣を作ることにした。

料理に関して今までは、時間がかからないパスタや丼などを作っていた。
 しかしレシピを見ながら、今まで作ったことがない料理を作ってみたり、おかずを増やしていった。

部屋の整理では、断捨離から始めて思い出の写真を壁に貼ってみたり、花を活けるようにした。

新たな趣味としてお香を始めた。京都のお店から取り寄せて自分の部屋でお香を焚くと、旅行に来た気分になることができた。

また、1日の終わりに日記をつけるように習慣づけた。1日を文章化することで、自分は今日こんなことをしたんだと振り返ることもできるし、さらに充実させるために頑張ろうと思うことができた。

自分に対して時間を割くことで変わっていった気持ち

自粛中の自分磨きを通して、私は「自分自身を大切にすること」が少しできたのではないかと思う。2020年の大半は、他人ばかりを見て自分に対して時間を割くことがなかった。

しかし自分磨きをすることで、1日を心地いい程度で忙しくすることができ、インスタやツイッターを見る時間がかなり減った。また自分磨きをすることによって、自分に自信をつけることができた。
以前の私なら他人と比べて劣等感を感じていたが、自分を磨き自分を大切にすることで、他人に執着することなく、人は人、自分は自分と心の底から思えるようになった。

まだ自分磨きをし始めて半年も経っておらず、自分の可能性は磨けば磨くほど開けるのではないかと考えるようになった。

2021年の私のモットーは「人は人、自分は自分」として、家にいる時間が増え、自分と向き合う時間が長いからこそできる自分磨き=自分を大切にすることを追求していきたいと思う。

今まで他者を羨む意味で使っていた「いいな」を、今度は自分を褒める「私っていいな」という意味で使っていきたい。